パイプオルガン、20歳の大修理 ホテル日航福岡のチャペル 2400本のパイプ外し音色調整 2月17日、お披露目リサイタル [福岡県]

工事用の足場の上で、巨大なパイプオルガンを前に説明する池田泉さん
工事用の足場の上で、巨大なパイプオルガンを前に説明する池田泉さん
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パイプがぎっしりと並ぶオルガンの内部で音色の調整作業に取り組むオルガン職人のダニエル・ケルンさん
パイプがぎっしりと並ぶオルガンの内部で音色の調整作業に取り組むオルガン職人のダニエル・ケルンさん
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工事用の足場の影になった演奏台で、試しに曲を弾く池田泉さん。鍵盤の周囲には音色を選択する33個のレバーが並ぶ
工事用の足場の影になった演奏台で、試しに曲を弾く池田泉さん。鍵盤の周囲には音色を選択する33個のレバーが並ぶ
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13世紀のゴシック様式を中陣に再現したというチャペルの内部。ここで聴くパイプオルガンはヨーロッパの古い教会と同様の響きがあるという
13世紀のゴシック様式を中陣に再現したというチャペルの内部。ここで聴くパイプオルガンはヨーロッパの古い教会と同様の響きがあるという
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 ホテル日航福岡(福岡市博多区博多駅前)の婚礼用チャペルで、建造から20年を迎えた巨大なパイプオルガンのオーバーホール修理が佳境を迎えている。合計2400本ものパイプをすべて取り外し、たまったほこりを掃除したり、傷んだ部品を直し交換したり…。人間ドックならぬ「オルガンドック」を受け、生まれ変わった至高の音色は2月17日、専属オルガニスト池田泉さん(58)のリサイタルで披露される。

   ◇    ◇

 パイプオルガンは、固有の音程を持った笛のような多数のパイプにふいごで空気を送り込み、音を出す古来の鍵盤楽器だ。ホテル日航福岡の一台は、本物にこだわるオーナーの意向で仏・ストラスブールのケルン社が建造を担当。チャペル新設に合わせて1998年11月末に完成し、99年2月から使用が始まった。

 高さ約6メートルの堂々たる威容。音色や音程を決めるパイプは、金属製から木製までさまざまな材質、形状、サイズがあり、そこから生まれる33種類もの音色の組み合わせで千変万化の荘厳な響きを奏でる。

 パイプオルガンが鎮座する婚礼用チャペル自体も、フランス産の石材やステンドグラスで13世紀のゴシック様式を忠実に再現しており、池田さんは「ここのオルガンは、欧州の伝統ある教会と同じ響きで聴くことができる」と胸を張る。

   ◇    ◇

 オーバーホール作業は、今年1月初旬から6週間の予定で始まり、ピーク時にはフランス人2人と日本人5人の腕利きの職人たちが現場で汗を流すことになった。

 取材当日。張り巡らされた足場をくぐって楽器内部に分け入ると、ぎっしりパイプが立ち並ぶ狭い空間内で、このオルガンの生みの親であるダニエル・ケルンさん(68)が186センチの大きな体を縮めるように手先に集中していた。

 パイプの口に専用工具を押し当て、音を出しては形状を微調整していく。膨大な数のパイプをバラバラに外すのはかなりの重労働だったはずだが、ケルンさんは「物理的作業より、音を作り直す芸術的な仕事の方がはるかに大変なんだよ」。世界中に100台以上あるという自らのオルガンを「こどもたち」と慈しみ、久々に再会した“博多のわが子”に「20年もたつ割に状態は悪くない。大切に使われていてうれしい」と相好を崩す。

 最終的な音質調整はこれからだが、池田さんは「このチャペルにふさわしい音に仕上がるはず」。お披露目のリサイタルは午後5時に開演。前売り券は一般4千円、学生(小学生以上)2千円。当日は5千円。同ホテル・チャペル担当(代表電話)=092(482)1111。

=2019/01/30付 西日本新聞朝刊=

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