街中で移動「困った」…LINEで助け合い 高齢者や障害者と支援者つなぐ 天神で実証実験始まる [福岡県]

「たすけっと」のLINE画面。サポートを必要とする人から、特徴や依頼内容が届き、その可否をLINEで返答する
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 街中での移動に困っている人と、支援したい人をスマートフォンの無料通信アプリLINE(ライン)で結びつける実証実験「たすけっと」が1日、福岡市・天神で始まった。3月末までの実験期間中、高齢者や障害者、ベビーカーの利用者、観光客の依頼に通行人に応えてもらい、スマホを媒介した移動支援や道案内の「気軽な助け合い」が広がることを目指す。

 実験に取り組むのは、大日本印刷(東京)、バリアフリー化の企画などを手掛ける「ミライロ」(大阪)、西日本新聞社などのグループ。対象エリアは西鉄福岡(天神)駅の改札口近くや天神地下街、中心部のバス停などになる。サービスの利用は無料で、大日本印刷が運営するLINEアカウント「&HAND」を友だちに追加すると、トーク機能を使って選択肢をクリックするだけで簡単に使える。

 「たすけっと」の仕組みはこうだ。

 「自分が支援を求める側か、支援したい側(サポーター)か」「支援を求める側の場合は、車いすやつえの使用の有無、障害の種別」などを事前に登録しておく。その上で実験対象エリア内に入ると、近くにたすけっとの登録者がいるといった通知が来る。

 支援を求める側が、「バスの乗り降りを手伝って」「目的地までの道が分からない」などの困り事や、自分の服装などの外見的特徴をクリックすると、近くのサポーターに通知が届く。サポーターが「支援に行く」と応え、両者に近い待ち合わせ場所が知らされる-。

 大日本印刷は2020年の東京五輪・パラリンピックを見据え、たすけっとの19年度中の事業化を目指している。福岡市での実験は全国3例目、九州では初めて。昨夏にはJR大阪駅で同様の取り組みをしたが、支援を求める側の依頼に対し、サポーターの応答があった確率は19%と低調だったという。

 今回の福岡市の実験では支援の成功率を高めようと、ポスターなどのPRを多くしてサポーターの登録者数を増やしたり、通知に気付きやすくしたりするといった点を改善した。3月からはキャナルシティ博多(博多区)も実験エリアに加え、外国人観光客向けに英語、中国語、韓国語での対応を追加する予定だ。

 大日本印刷コミュニケーション開発本部の井上貴雄本部長=福岡市出身=は1日、「助けたい思いはあっても『恥ずかしい』とか『断られたら』と思うと一歩を踏み出せない。心理的なバリアーをスマホで軽減して、福岡の市民の温かい気質がより行動につながることを実現していきたい」と話した。

=2019/02/02付 西日本新聞朝刊=

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