村民の災害情報、瞬時に共有 東峰村 システム導入し机上訓練 スマホ活用、豪雨の教訓生かし九大など開発 [福岡県]

机上訓練で試験的に被災の写真や文字情報を表示したタブレット
机上訓練で試験的に被災の写真や文字情報を表示したタブレット
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新システムを稼働させた東峰村の机上訓練
新システムを稼働させた東峰村の机上訓練
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 一昨年7月の九州豪雨で被害を受けた東峰村は本年度、災害情報収集と防災業務支援に関する最新システムを導入し、九州大が村内に開設している災害伝承館で22日、初めての机上訓練を行った。

 この新システムは、村復興計画推進委員会の委員長を務める三谷泰浩・九州大大学院教授らが開発を主導した。災害発生時に河川の氾濫や道路損壊など、村民が見聞きしたリアルタイム情報をスマートフォンなどから写真・文字で送信すると、村の災害対策本部とスマホなどを持つ全村民に瞬時に共有され、避難行動につなげることができる。

 村によると、九州豪雨時はこうした仕組みがなく、電話対応などに追われる村職員が各地で次々に発生する被害の把握に十分対応できなかった。携帯電話も不通となり、村民に十分な情報を届けられなかった教訓を生かし、約1500万円をかけて最新システムを導入した。九大によると、住民情報を取り込み共有する仕組みは、県内初の採用になるという。

 この日の机上訓練は九州豪雨を念頭に、短時間に80ミリを超す大雨が降ったとの想定。村職員は、村民役から矢継ぎ早に入ってくる「側溝があふれた」「道路が壊れた」「土砂が家に入ってきた」などの文字と写真の情報と、職員が現場で確認した情報を、最新システムで集約。気象情報も加味した上で、地区別に避難勧告や避難所開設などの判断を迅速に出していった。

 訓練のため、村民が実際に災害情報をスマホで確認することはできなかったが、試験的に会場の災害伝承館では最新システムとスマホやタブレット端末を接続し、災害対策本部と同じ情報を見られるようにした。村は4月中旬から、村民が最新システムを利用できるようにしたいとしている。

 三谷教授は訓練終了後、「最新システムによる情報共有が、住民の早い避難行動に結びついてほしい」と期待を込めた。梅雨に入る6月ごろまでは机上訓練を繰り返し、システムも改良する。

=2019/02/23付 西日本新聞朝刊=

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