農地再生、区画整理で加速 豪雨被災の朝倉市 地権者負担軽く [福岡県]

疣目川流域にある疣目集落。護岸や農地が大きく損壊し、土地区画整理型の農地再生が進められている
疣目川流域にある疣目集落。護岸や農地が大きく損壊し、土地区画整理型の農地再生が進められている
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 2017年7月の九州豪雨で広く農地が被災した朝倉市は、農地を地区全体でつくり直す土地区画整理型の農地再生事業を本格化させている。区画整理の対象となる被害面積198・4ヘクタール(15地区)のうち、3地区について先行して着工へ向けた事業計画概要書を市議会に提案。議決を得られ次第、19年度中に着工し、21年度末までの完成を目指す。

 農地再生は、元の状態に戻す原形復旧が基本。市は平野部の183ヘクタールに関しては、国の補助を得て土砂を撤去する原形復旧工事を終えた。

 これとは別に、九州豪雨では川沿いの地域で農地が大きく損壊したことから、市は河川と農地を一体的に復旧する区画整理型を導入。計画では、対象の198・4ヘクタールのうち148・8ヘクタールが工事完了後に農地になると予想され、残りは水路や道路などになる見込みだ。

 この区画整理型の対象地域は、赤谷川▽乙石川▽白木谷川▽北川▽黒川▽疣目(いぼめ)川▽奈良ケ谷川▽妙見川▽桂川-の各流域の15地区で、地権者などは計約1200人に上る。激甚災害に指定され国の補助率が高いことから、地権者負担は農地だと事業費の0・54%で済むという。

 15地区には既に地権者らによる委員会が発足し、農地や水路、道路の割り当てや土地の評価基準などを協議してきた。土地の新しい区画(換地)の素案も、半分ほどの地区で地元に示されている。

 ただ、地区によって事業の進度に差も出始めている。

 市が概要書を議会に諮っている3地区(疣目川流域、奈良ケ谷川流域、妙見川上中流域)は、面積が4・5~1・3ヘクタールと比較的狭い。一方で、面積が広く氾濫の被害がより大きい地区などは、農地再生を河川の改良復旧、農業用水を取る堰(せき)の建設計画と連動させる必要があり、事業期間が長くなりそうだ。

 朝倉市が決めた市復興計画では、区画整理型の農地復旧の完成予定年度は21年度。これに間に合わせるのは、現状では難しい地区もあるとみられる。市農地改良復旧室は「苦しい中で事業に協力していただく農家の期待に応え、営農への希望につなげるためにも、一日も早い復旧を目指すとしか言えない。21年度以降のことはしっかり国や県と協議していく」としている。

=2019/03/14付 西日本新聞朝刊=

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