市長の仕事って何するの?年収は 福岡市長は部下9100人、予算は1兆8千億円

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 11月18日に投開票日を迎える福岡市長選。157万人の人口がさらに増え続けている、九州最大都市のリーダーを決める選挙だ。

 新聞では選挙や市長のことを伝える記事は多いけれど、そもそも「市長」って、どんな仕事、どんな役割の人なのだろう。中でも福岡市長って、どんな存在なんだろうか。法律を調べたり、市に聞いたりしてまとめてみた。(三重野諭)

 福岡市に限らず市長や町長、村長、知事など自治体の長を「首長」という。首長の仕事は「地方自治法」という法律に書かれてある。主なものを簡潔に説明すると、

 (1)議会に議案を出す

 (2)予算を作って使う

 (3)税金を取り立てる

 (4)自治体の財産を取得、管理、処分する

 (5)自治体の施設を設置、管理、廃止する

 これらを市長の仕事として考えてみる。

 (1)は、市のルール「条例」を作ったり変えたりするために、議案を市議会に提案して、議員にOK(議決)をもらう手続き。

 (2)は市が税金などで集めたお金の使い道を決める作業。この(1)、(2)は特に市民の暮らしを左右するので、とても重要な仕事だ。

 じゃあ、福岡市が1年間に使う金額はどのくらいなのか。ニュースでよく見るのは、教育や福祉、防災、道路の整備など、市民全般に関わる「一般会計」。本年度の当初(※)の予算は8387億円だった。

(※年度の「最初の段階」という意味。予算は年度の途中に足すことが多い)

 実は一般会計の他にも「特別会計」という予算がある。国民健康保険や介護保険、水道、地下鉄など、それぞれ独自の収入、使い道があり、一般会計とは別に、財布が幾つもあるようなものだ。

 福岡市の全ての財布(一般会計+特別会計)を合わせると、本年度の当初予算は1兆8765億円に上った。

 中には職員の人件費や生活保護費、市の借金の返済といった不可欠な支出(義務的経費)もある。全てが市長の自由にはならないとしても、どの分野の支出を削り、どの分野に多く充てるのか。市長のかじ取りで決まる予算配分は、市の未来を大きく左右する。

 とはいっても、市長1人で多岐にわたる細かい予算を決め、実際にお金を使う時まで全て関わるのは無理だろう。このため、職員の人事を決めたり、仕事を任せたりすることも市長の大事な役割になる。

 「地方自治法」や「地方公務員法」といった法律には、首長が職員の任命や免職などの権限を持つこと、自分の仕事を職員に任せることができる-と書かれている。

 福岡市の職員数は1万5882人(5月1日現在)。ただ、市によると、市長は全員に対して人事権があるとも言えないらしい。

 6722人いる市立小中高、幼稚園の教員は、市教育委員会が独自に採用して、人事権も持っている。職員から教員を差し引いた9160人のトップに立つのが市長だと言えるだろう。

 福岡市は「政令指定都市」という特別な市のため、普通の市では都道府県が担当する都市計画や福祉、教育などの役割の一部も任されている。人口が多いだけでなく、仕事も多い特別な市のため、予算や職員数も多くなっている。

 市長には予算や人事の他にも仕事がある。

 市民にとって、身近なのは市の「顔」としての役割だ。記者会見では、新聞やテレビのニュースなどを通じて市の取り組みや方針をアピールする。最近では会員制交流サイト(SNS)やブログを使って直接発信する首長も多い。

 さらに市長は、スポーツ選手や要人、芸能人といった市役所への表敬訪問に対応するほか、国内外に出かけて特産品や観光名所のPR、企業やイベントの誘致など、市の魅力をトップセールスすることもある。

 ちなみに現職福岡市長の2016年度の出張は国内23回、国外9回だった。他の自治体や国、企業などと関係をつくり、福岡にとって重要な交渉や決断をするのも大切な役目だ。

 ところで、これだけの大役を任される福岡市長の給与がいくらかご存じだろうか。17年度の給与は1716万円、賞与は673万5300円。合計した年収は2389万5300円だった。これに加え、任期ごとに在職月数に応じた退職手当がもらえる。今期の4年分は満額となり、2995万2千円を受け取ることができる。

 最後に、とても大事な点をお知らせしたい。市長と市議会の関係だ。

 市長が自身の大きな仕事である議案の提出や予算作りはもちろん、副市長や教育長など幹部を任命する際にも、市議会からOK(議決)をもらわなければならない。

 (細かく言うと、議会の議決を必要としない「専決処分」が使える場合もある)

 市長の提案に賛否を決めるという点で、市議会議員の役割は重要だ。「議員とは」についても、また別の機会に解説したい。

=2018/11/07 西日本新聞=

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