因縁越え「誠拓」タッグ 福岡知事選 「麻生1強」への不満背景

山崎拓氏(左)の演説に耳を傾ける太田誠一氏(右から2人目)=12日、福岡県筑紫野市
山崎拓氏(左)の演説に耳を傾ける太田誠一氏(右から2人目)=12日、福岡県筑紫野市
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 21日告示の福岡県知事選で、3選を目指す小川洋知事を応援しようと、自民党の山崎拓元副総裁と太田誠一元農相が12日、同県筑紫野市などで一緒に演説を行った。中選挙区時代に「誠拓戦争」と呼ばれる政争を繰り広げたライバル同士が手を握った格好。一方、自民推薦の新人で元厚生労働官僚武内和久氏の後援会長、麻生渡前知事は、武内氏を支える麻生太郎副総理兼財務相の地元で「県政刷新」を訴えた。

 筑紫野市の生涯学習施設の一室。約150人を前に、山崎氏が声を上げた。「誠拓戦争と言われたが、現在は誠拓のコラボレーションだ」。続けてマイクを握った太田氏は麻生副総理を念頭に「私と山崎先生の同時代の政治家が1人残っている。その人がこの選挙の元凶だ」と痛烈に批判した。

 山崎氏と太田氏は中選挙区時代、旧衆院福岡1区で激しい選挙戦を展開した間柄。小選挙区制移行後は山崎氏が2区、太田氏が3区に分かれたことで直接対決はなくなったが、しこりは完全には消えなかった。

 両氏は2009年の衆院選で落選後、第一線を退いた。古賀誠元幹事長も12年の衆院選に出馬せず議員を引退。しのぎを削った同世代で現役なのは麻生太郎氏だけだ。山崎、太田両氏が今回タッグを組んだ背景には「麻生氏1強と言われる県内政界の状況に不満がある」(県連関係者)とされる。

 麻生渡前知事は小川氏の後見人的存在だったが、「攻めの県政」への転換が必要だとして武内氏陣営に加わった。12日は同県飯塚市で自民県議の集会に参加。「挑戦する県政を選んでほしい」と呼びかけた。

 麻生渡氏は11日夜、福岡市内で開かれた異業種交流会の懇親会に参加。小川氏も出席しており、同氏が武内氏の後援会長に就任後初めて言葉を交わした。出席者によると、同氏は後援会長に就いた経緯を小川氏に説明したという。15日には、武内氏と並び初めて街頭演説をする方針だ。

 知事選には共産党県委員会副委員長の新人篠田清氏も立候補を予定している。

=2019/03/13付 西日本新聞朝刊=

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