森へおいでよ 筑豊の自然再発見<36>これキノコ? 木から生えた牛タン

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 先日、こんなキノコは他にない、というほどユニークなキノコを飯塚市内で見つけた。

 それはシイの大木から生えていた。カンゾウタケである=写真(1)。

 名前の由来は、姿かたちが肝臓に似ていることからきているが、今回のキノコは肝臓というよりは牛タンであった=写真(2)。

 薄暗いシイの森の中で、鮮やかな赤紅色のキノコが舌を出しているように生え、異様な雰囲気をかもし出していた。

 しかし筆者にとっては、長年探し求めていたキノコであったので、跳び上がるほどうれしい瞬間でもあった。前述のようにカンゾウタケはシイ類に生えるため、ツブラジイやスダジイが多い筑豊の森では普通に生えていてもおかしくないが、なぜかこれまで見つけられなかったのである。

 やっと見つけたこのカンゾウタケは、キノコとしては珍しく「生」で食べられる。さっそくシイの木から切り取り、かけらを口に入れたところ、若干の酸味とコリコリした食感でまずくはなかった。そこで、持ち帰って調理することとした。

 まずは薄くスライスして、生のままポン酢で食べてみた=写真(3)。これはミミガー(豚の耳皮の沖縄料理)のようでポン酢とよく合い、うまかった。次にスライスしたものをサラダにしてみた=写真(4)。若干キノコ臭が気になったが、これもまあまあいける味であった。

 レーズンバターも乗せてみた=写真(5)。レーズンバターのまったりとしたコクとカンゾウタケの酸味の絶妙な融合を期待したのであるが、これは全く味がバラバラで大失敗であった。ここまでは全て生での調理である。

 最後はソテーに挑戦してみた。大きめにスライスした断面はまさに「霜降り肉」である=写真(6)。出てくる汁も赤いので、キノコを調理しているということを忘れてしまいそうであった。バターでソテーしてしょうゆで味を調えたが、調理中も出来上がりも牛肉にしか見えない=写真(7)(8)。期待しつつ口に運んでみた。

 「ん~」

 アメリカではこのキノコを「貧者のビーフステーキ」と言うそうであるが、確かにそういう味であった。

【筑豊の自然を楽しむ会(ちくぜんらく)・弓削田和広(ゆげちゃん)】


=2017/06/01付 西日本新聞朝刊(筑豊版)=

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