森へおいでよ 筑豊の自然再発見<48>生物由来の宝石 古くから人々を魅了

(1)泥岩の中の琥珀=直方市で産出
(1)泥岩の中の琥珀=直方市で産出
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(2)石炭の中の琥珀=直方市で産出
(2)石炭の中の琥珀=直方市で産出
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(3)小さな涙形の琥珀=直方市で産出
(3)小さな涙形の琥珀=直方市で産出
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(4)流れ落ちる形の琥珀=直方市で産出
(4)流れ落ちる形の琥珀=直方市で産出
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(5)研磨した琥珀=直方市で産出
(5)研磨した琥珀=直方市で産出
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(6)メタセコイアの葉化石=直方市で産出
(6)メタセコイアの葉化石=直方市で産出
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(7)アミノドンの犬歯化石=直方市で産出
(7)アミノドンの犬歯化石=直方市で産出
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(8)琥珀発掘体験会=撮影場所は直方市内
(8)琥珀発掘体験会=撮影場所は直方市内
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(9)参加者が採集した琥珀=撮影場所は直方市内
(9)参加者が採集した琥珀=撮影場所は直方市内
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 琥珀(こはく)とは、植物の樹脂が地中に埋もれ、数千万年以上の長い年月をかけて化石化(高分子化)したものである。美しいものは宝石として扱われ、指輪やネックレスなど装飾品にも加工される。真珠やサンゴなどとともに数少ない生物由来の宝石の一つに数えられている。時には昆虫などの生物が、生きていた時と変わらぬ姿のまま琥珀の中に閉じ込められ、保存されているものもあり、貴重な学術資料となっている。

 産地はバルト海沿岸など世界中に点在し、日本では岩手県久慈市の地層から採掘されている。古くから人々は、その美しさに魅了されてきたと考えられ、古墳時代の勾玉(まがたま)などにも使用されている。宝石としてイメージの強い琥珀であるが、日本では近代までに採掘された琥珀の大半が、お香や医薬品、ラッカーなどの工業用材料として利用されてきたのである。

 実は、筑豊でも石炭を産出する新生代古第三紀の直方層群と大辻層群のうち、大辻層群(約3500万年前)に琥珀が含まれている。地層は直方市の国道200号線バイパス周辺などに広く分布しており、道路工事などで露出した泥岩層や炭層から、小さな涙形や流れ落ちる形のものなど大小さまざまな琥珀が見つかっている。

 この地層では、メタセコイアなどの植物化石や淡水性二枚貝、アミノドンという絶滅したサイの仲間の犬歯も見つかっており、当時川や沼の周辺に木が生い茂り、大型の哺乳動物が生息していたことも分かっている。

 2012年7月、直方市頓野の琥珀産地が造成されることになり、土地を所有するもち吉、NPO法人遠賀川流域住民の会、筑豊の自然を楽しむ会が協力し、琥珀の発掘体験会を開催することができた。あらかじめ土砂を安全な場所に移動し、多くの参加者が発掘を楽しんだ。美しく輝く琥珀を見つけ手にした参加者の目も、キラキラと輝いていた。

【筑豊の自然を楽しむ会(ちくぜんらく)・黒河雅文(クロちゃん)】


=2017/08/24付 西日本新聞朝刊(筑豊版)=

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