和牛日本一へ「順調」 全共7日開幕 1700キロの長距離輸送仙台着 体調回復が勝負の鍵 [鹿児島県]

長距離移動を終え、トラックから降ろされる宮崎県の代表牛
長距離移動を終え、トラックから降ろされる宮崎県の代表牛
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全共メーン会場に到着し、丁寧に水洗いされる鹿児島県の代表牛
全共メーン会場に到着し、丁寧に水洗いされる鹿児島県の代表牛
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 いざ和牛日本一へ-。5年に一度開かれ「和牛のオリンピック」とも呼ばれる全国最大の和牛品評会「第11回全国和牛能力共進会」(全共、7~11日)を前に、宮崎と鹿児島両県の先発隊の代表牛が5日早朝、メイン会場の夢メッセみやぎ(仙台市)に相次ぎ到着した。宮崎県は初の団体総合3連覇に挑戦し、前回2位の鹿児島県は地元開催の次回全共へ向けて全国制覇で勢いをつけたいところ。長距離輸送となった今回は牛の体調回復が勝負の鍵を握りそうだ。

 全共は生きた牛の体形や繁殖性を見る「種牛(しゅぎゅう)の部」と食肉処理された肥育牛の肉質などを審査する「肉牛の部」があり、雌雄や月齢などで分けられた九つの出品区分で競われる。今回はさらに「復興特別出品区」として別枠で高校の部も新設。宮崎からは家畜伝染病・口蹄疫(こうていえき)で335頭の牛や豚を失う経験をした高鍋農業高(高鍋町)が、鹿児島からは市来農芸高(いちき串木野市)が出場する。

 この日は午前6時すぎ、参加39道府県の先陣を切って両県の牛が会場に到着し、仮設牛舎に入った。ともに陸路で約1700キロに及ぶ大移動だったので、ストレスや暑さなどで体重減少が心配されていたが、両県の責任者は「順調だ」と自信を見せた。

 全共全部門の総合得点で2連覇中の宮崎県は、「日本一の努力と準備」をスローガンに昨秋から試験輸送を実施し計画を練ってきた。交通渋滞と暑さ対策のため関東を避けて北陸から仙台入り。獣医師や世話係ら16人が乗る大型バスが同行し、扇風機も用意した。

 宮崎県からは種牛の部20頭と肉牛の部8頭が出場する。母牛としての発育を競う2区では、小林秀峰高(小林市)の生徒が育てた雌牛「れな」がベテラン農家に交じって最終予選を勝ち抜いた。全共本体への高校生の出品は、大分県の三重農業高以来30年ぶりの快挙となる。

 小林市の小林地域家畜市場で3日に開かれた宮崎県代表牛の出発式には、出品者ら約200人が参加。精液を供給する未来の「エース種牛」候補がそろう種牛の部1区に出場する県家畜改良事業団(高鍋町)の黒木博文さん(42)が「宮崎牛の名声をさらに高めるために、すべての出品区で日本一になることを誓います」と決意表明した。

 一方、雪辱を誓う鹿児島県は今回、全国最多の29頭を代表牛として送り込む。

 8月28日に鹿児島市であった出品者壮行会には約70人が出席。三反園訓(みたぞのさとし)知事は同26日の九州管内系統和牛枝肉共励会で鹿児島県勢が個人・団体とも2連覇し「九州一」だったことを報告し「皆さんは本当に努力されてきた。日本チャンピオンへ向け、最後まで頑張ろう」と激励。出品者を代表して、森ファーム(鹿屋市)の森義之さん(35)が「日本一奪還を果たし、畜産王国・鹿児島の名誉を回復したい。圧倒的な強さで全国に衝撃と感動を与え、和牛新時代の幕開けにしたい」と力強く決意を語った。

=2017/09/06付 西日本新聞朝刊=

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