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「早期の再審開始を」 宮崎市で大崎事件支援集会 冤罪被害者ら訴え [鹿児島県]

桜井昌司さん
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青木恵子さん
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巌さんの姉秀子さん
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周防正行さん
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 鹿児島県大崎町で1979年に男性の変死体が見つかった「大崎事件」で、裁判のやり直しを求めている原口アヤ子さん(90)を支援する集会が23日、宮崎市であった。原口さんの3回目の再審請求で鹿児島地裁は6月、再審開始を決定。検察の即時抗告で審理は福岡高裁宮崎支部に移っているが、集会では全国の支援者や冤罪(えんざい)被害者、専門家が早期の再審開始を訴えた。集会での発言から、「布川事件」で再審無罪が確定した桜井昌司さん▽大阪市の小6女児焼死で再審無罪となった青木恵子さん▽「袴田事件」で再審開始決定を得た袴田巌さんの姉秀子さん▽刑事司法の問題に詳しい映画監督周防正行さんの4人の思いを紹介する。

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 ●「冤罪防ぐ声上げよう」 布川事件 桜井昌司さん

 私は厳しい取り調べで「自白」してしまったが、まさか現実に「強盗殺人犯」になるとは思わなかった。裁判官を信じていたから。だから、やってもいないのに刑務所で理不尽に拘束される日々は本当につらかった。発狂しそうになった。私が仮釈放された21年前は冤罪という言葉を世間は知らなかった。今は違う。足利事件で菅家利和さんが社会に知らしめ、市民の意識は変わった。警察と検察は何でもする。冤罪を防ぐには、市民がおかしいと声を上げるしかない。

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 ●「次はアヤ子さんの番」 大阪小6焼死 青木恵子さん

 昨年12月、アヤ子さんに初めて会い、21年かかり無罪になったと伝えると涙を流された。「次はアヤ子さんの番ですよ」と話し掛けると、しゃべることはできずとも体全体で無実を訴えようとしていた。私とアヤ子さんの共通点は多い。同じ女性で、事故を事件とされた。再審開始決定後、検察に即時抗告もされた。天国から地獄に落とされたような苦しい3年7カ月だった。それでも女性で初めて再審無罪を勝ち取った。2番目はアヤ子さん。一日も早く無罪となってほしい。

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 ●「無実を信じて堂々と」 袴田事件 巌さんの姉秀子さん

 (袴田)事件では家族全員が午前7時から午後7時まで警察の取り調べを受けた。調書は「強盗殺人犯 袴田巌」と書いてあった。それでも家族だけは巌を信用しようと心に決めた。信じ続けた母は「巌は駄目か」と言いながら68歳で亡くなった。私はその母の思いを背負っている。アヤ子さんの再審開始決定も、テレビの前で自分のことのように大喜びした。アヤ子さんの家族も萎縮する必要なんてない。世間体も関係はない。無実を信じて、堂々と戦ってほしい。

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 ●「裁かれる立場考えて」 映画監督 周防正行さん

 鹿児島地裁の再審開始決定を受け、弁護団と一緒に即時抗告しないよう最高検に要請した。検察は今でこそ知的障害のある人の取り調べの際に録音・録画を積極的に行っているが、大崎事件では全く配慮されなかった。過去の過ちを反省すべきだったのに抗告した。自らの間違いを絶対に認めない組織だ。権力は使う側が組織の都合のいいように使う。市民のチェックが欠かせない。福岡高裁宮崎支部の裁判官には、自分が裁かれる立場になったらと考えて判断してほしい。


=2017/09/26付 西日本新聞朝刊=

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