元鹿大副学長が小農私塾 霧島市に4月開校 「大規模化や法人化に一石を」 [鹿児島県]

設立する「霧島生活農学校」のパンフレットを手にPRする元鹿児島大副学長の萬田正治さん
設立する「霧島生活農学校」のパンフレットを手にPRする元鹿児島大副学長の萬田正治さん
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 元鹿児島大副学長でアイガモ農法に取り組む萬田正治さん(75)らが4月、鹿児島県霧島市に小規模農家「小農」を育てる私塾「霧島生活農学校」を開く。農業の大規模化が進む中、あえて小農育成に挑むことに「日本の農村集落が守られてきたのは小農の存在があってこそ。農村を元気にする担い手を増やす」と意気込む。

 萬田さんは大学でアイガモ農法を研究。退職後の2003年に同市溝辺町竹子(たかぜ)地区で農園を始め、06年には農業の基礎知識を座学で教える「農塾」も開いた。日本の農村を立て直すのがライフワークで、昨年は農民作家の山下惣一さん=佐賀県唐津市=と共に共同代表を務める「小農学会」も立ち上げた。

 農学校は、農塾で開講していた社会人向けの座学に加え、近くの改築民家に寄宿しながら1年間通う授業料月4万円(食費込み)の学生コースや、100平方メートルの田んぼを借りて一年を通じて米作りを体験するコース-などを新設する。食育なども教えるという。

 地元農家の労働力不足解消も目指しており、学生コースでは昼間は地域の農家で田植えや稲刈りを手伝う。季節によってお茶やブドウ、ナシ、大根やネギも栽培し、家畜のアイガモや鶏の世話をする。夜間など空き時間で農業理論も学ぶ。

 入学の門戸を広げるため国籍や年齢は問わない。兼業農家を目指す人や、都市在住で農家体験をしたい人も受け入れる。学生コースのみ定員があり、5~10人の予定。申し込み締め切りは3月下旬で、その後の面接で入学を決める。

 萬田さんは「日本の国土の大半は山や谷があって土地が狭く小農向きなのに、今の農政は完全に小農を切り捨てている。現在の農家の大規模化や法人化に一石を投じたい」と話す。

=2018/03/07付 西日本新聞朝刊=

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