「奄美・沖縄」自然遺産 24カ所点在の推薦区域、どう見直す? 迫られる取捨選択 [鹿児島県]

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 仕切り直しとなる「奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島」の世界自然遺産登録に向けては、米軍北部訓練場跡地(沖縄本島)の森林地帯を推薦区域に加えるだけでなく、4島の24カ所に散らばる推薦区域をどう見直すかという課題も横たわる。

 5月の国際自然保護連合(IUCN)の勧告で、推薦区域に加えるよう要請された訓練場跡地について、政府は7月にも国立公園への編入を決める方針。自然保護が徹底される形を整えて推薦区域に加えることで、この課題はクリアされる見通しが立った。

 ただ、勧告は「シリアルノミネーション」(同種遺産の一括推薦)で登録を目指す24カ所について「不適切な小規模地域を除くためにも多くの修正が必要」と指摘。推薦区域の計3万8000ヘクタールに、世界遺産の価値が認められない区域が含まれることを示唆した。

 地元には「IUCNは100ヘクタール以下の小規模区域では多様な生物を完全に保護できないとみている」との見方もある。こうした小規模区域を候補地から外すのか、自然保護のための緩衝地帯をより強固にするかなど、来年2月の推薦書再提出に向け、政府と地元は難しい対応を迫られる。

 筑波大大学院の吉田正人教授(世界遺産学)は「近年、シリアルノミネーションでの登録は『分かりづらい』と見る目が厳しくなっている。価値が一目で分かる工夫が必要だ」と話す。

=2018/06/03付 西日本新聞朝刊=

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