鹿児島弁ニュース動画に注目 再生1000万回超「ラップみたい」 [鹿児島県]

「鹿児島方言週間フェスティバル」への参加を呼びかける種子田幸広さん
「鹿児島方言週間フェスティバル」への参加を呼びかける種子田幸広さん
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 日本全国の方言の中でもなまりがとくに強いといわれる鹿児島弁。明治維新150周年、NHK大河ドラマ「西郷(せご)どん」の放映で注目を集めるが、ある鹿児島の男性の会話の動画が、注目度をさらに高めている。ただ、言葉の難解さも手伝って“本流”を話せる人が年々減っている現状もある。「いけんかすったーいまごわんど!(どうにかするのは今ですよ)」と懸念の声とともに、方言継承の動きが出ている。

 「わっぜ(すごい、とても)音がしっせーよ(してよ)」「ないごてけーち(何だろうと)思って見てみっさーよ」「警察どんが自分で事故さあ良かなかど(良くはないよ)」

 8月22日に鹿児島市内で起きた鹿児島県警パトカーの自損事故。近くにいた男性が地元テレビ局の取材に応じる動画が、ネット上に投稿されると一気に耳目を集め、「ラップみたいで格好いい」「字幕のありがたみを感じる」などと反響を呼んでいる。

 男性を取材したテレビ局記者(鹿児島出身)によると、「彼の話は理解できたが、話し方はかなり濃いめ」だったという。ある個人のツイッターに同ニュースの動画が投稿され、3日現在で再生回数は1070万回を超えた。動画投稿サイト「ユーチューブ」には鹿児島弁のユニークさ、方言ならではの独特の言い回しに着目した別の動画も複数、投稿されている。

 晩酌は「だれやめ」。お疲れさまのあいさつは「おやっとさあ」。イントネーションとともに、暗号のようだともいわれる鹿児島弁。地元紙の報道によると、6年前、振り込め詐欺の電話を受けた60代の女性が標準語を話す「息子」に「鹿児島弁でしゃべらんか」と怒り、撃退した例もある。

 一方、純粋な鹿児島弁を話す住民が減り、その消滅を危惧する人も多い。伝承と復興を目指して始まった「鹿児島弁検定」は今年で10回目を迎える。住民らによる検定協会が主催し、言葉の意味を問う問題や寸劇の聞き取りに、これまで約5200人が挑んだ。

 県も昨年、11月の第3週を「方言週間」と制定し、継承を後押しする。今年11月には、鹿児島弁の漫才や紙芝居を披露し、県内各地域の言葉を紹介する「方言週間フェスティバル」が鹿児島市内で開かれる。

 検定協会会長で、フェスティバル実行委員長の種子田(たねだ)幸広さん(68)=同市=は「とくに若い人に『方言はわっぜぇおもしてか(おもしろい)』と発信していきたい。鹿児島弁の柱が倒れんごっ、きばいもんそ(頑張ろう)」と話している。

=2018/09/04付 西日本新聞朝刊=

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