「日本に来て本当に良かった」 留学生と支え合い成長 鹿児島・神村学園、全国高校駅伝初優勝 [鹿児島県]

閉会式後、カマウ・タビタ選手(手前右から2人目)を囲んで記念撮影に臨む神村学園の選手たち=23日、京都市
閉会式後、カマウ・タビタ選手(手前右から2人目)を囲んで記念撮影に臨む神村学園の選手たち=23日、京都市
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 30回目の節目を数えた全国高校駅伝の女子で、神村学園(鹿児島県いちき串木野市)が新たな歴史を刻んだ。25回目の出場で初優勝。一番の立役者となったケニアの留学生、カマウ・タビタ選手(3年)は颯爽(さっそう)とゴールテープを切った後、チームメートに抱き締められて涙した。異郷で仲間に支えられ、その実力で仲間を引っ張り、皆で栄冠をつかみ取った。「日本に来て、本当に良かった」

 神村学園の留学生起用は2015年、都大路の連続出場が19で途切れたことがきっかけだった。初めて自宅のテレビで観戦したという有川哲蔵監督は県勢の戦いぶりに「やはり鹿児島には神村学園が必要だ」と感じたという。同学園は外国人向けの日本語専門学校を併設しており、国際色豊かな校風も後押しとなった。

 そのスカウトで来日したタビタ選手。最初は日本語がほとんど話せなかった。同じ陸上部で同学年の平田歩弓選手にローマ字で日本語を教わりながら、少しずつ学んでいった。2年生になると寮でも平田選手と相部屋に。平田選手は「タビ(タビタ選手)の携帯電話からいきなりケニアの音楽が鳴って、びっくりしたことがある。とても面白かった」と笑う。

 平田選手自身もタビタ選手から多くのことを学んだ。自分より、もっと離れた場所から来て寮生活を送り、言葉を覚え、ひたむきに練習に取り組む姿勢に「自分も、もっと頑張らなくちゃと思った」。

 大会当日。都大路を駆けた1年生3人もタビタ選手の背を追うように快走を見せた。31秒差の5位でたすきを渡した木之下沙椰選手(1年)は「一秒でも早く渡したかった。最後のレースでタビタ先輩にたすきを渡せて良かった」と充実した表情。有川監督は「タビタは校内でも人気者。真剣に練習に取り組む姿は、日本人の生徒たちにも良い刺激になった」と話す。

 卒業後、日本の実業団に入るというタビタ選手は「日本でいろんなことを学んだ。優勝できてすごくうれしい」と笑顔で締めくくった。

=2018/12/24付 西日本新聞朝刊=

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