【動画あり】「トシドン」がやって来た 鹿児島・下甑島 怖いけど…にじむ優しさ [鹿児島県]

鹿児島県・下甑島の伝統行事「トシドン」
鹿児島県・下甑島の伝統行事「トシドン」
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 鹿児島県薩摩川内市の下甑島で昨年12月31日夜、鬼のような格好の男たちが、子どものいる家々を回る伝統行事「トシドン」が行われた。地元の男たちが扮(ふん)したトシドンが、子どもの健やかな成長を願って怒声を上げると、大みそかの家内は涙と笑顔に包まれた。

【動画】大きな声で諭す「トシドン」に涙をこらえきれない子どももいた

 「親の言うこと聞いとるかー」。午後7時すぎ、げたを鳴らしてトシドンはやってきた。青瀬地区では4軒を訪問。恐ろしい仮面を着けて、みのをまとった3体が家に上がり込むと、子どもの1年の行いについて大声で諭したり、新年の約束をさせたりした。子どもたちは泣きながら「良い子にする」と約束した。一方で「友達を大事にしている」などと褒めるところは褒め、褒美に大きな餅を背中に与え、立ち去った。3歳の女の子にはすぐに「バイバイ」と言われてたじろぐ場面もあり、仮面の奥のまなざしに優しさがにじみ出ていた。

 トシドンは2009年、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録されたが、18年に秋田の「ナマハゲ」などともに「来訪神 仮面・仮装の神々」(8県の10行事で構成)の一つとして登録された。「ナマハゲ」は時を選ばず積極的に「出現」し、コンプライアンス(法令順守)なども語るが、無形文化遺産の「先輩」のトシドンが現れるのは大みそかだけ。島民は「島外不出を守り、やり方も今まで通り」と伝統を貫く。

=2019/01/04 西日本新聞=

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