福岡・天神で再び「安室ちゃん祭り」 実は彼女への恩返しだった!?

引退する安室奈美恵さんを全力で応援する「天神アムロマンス」。街角には「安室ちゃん」があふれている=福岡市・天神
引退する安室奈美恵さんを全力で応援する「天神アムロマンス」。街角には「安室ちゃん」があふれている=福岡市・天神
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シックな黒のワンピース、エレガントな純白ドレスに身を包む安室奈美恵さんの懸垂幕が彩る商業施設(左からイムズ、福岡三越、天神コア)
シックな黒のワンピース、エレガントな純白ドレスに身を包む安室奈美恵さんの懸垂幕が彩る商業施設(左からイムズ、福岡三越、天神コア)
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安室奈美恵さんの25年余に及ぶ軌跡をたどる体験型展覧会「namie amuro Final Space」の一場面。連日多くのファンが詰め掛ける
安室奈美恵さんの25年余に及ぶ軌跡をたどる体験型展覧会「namie amuro Final Space」の一場面。連日多くのファンが詰め掛ける
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ラッピングが施された西鉄の高速バス(上)と電車。西鉄福岡(天神)駅では発車ベルに名曲「Hero」が流れる
ラッピングが施された西鉄の高速バス(上)と電車。西鉄福岡(天神)駅では発車ベルに名曲「Hero」が流れる
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安室奈美恵さんの福岡ツアーに合わせ、都心界が2月に開いた応援キャンペーンの模様(上下とも提供・天神ユナイテッド事務局)
安室奈美恵さんの福岡ツアーに合わせ、都心界が2月に開いた応援キャンペーンの模様(上下とも提供・天神ユナイテッド事務局)
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 福岡市・天神の街角に「安室ちゃん」があふれている。9月16日に引退する平成の歌姫、安室奈美恵さん。商業施設や商店街は彼女の肖像写真を配した懸垂幕や特設ボードで彩られ、電車やバスのラッピング車両も走る。安室さん一色のイベントで発信されるのは「arigatou(ありがとう)」のメッセージ。シンプルだが、実は深~い意味がある。

 「TENJIN AMURO MONTH」(天神アムロマンス)と銘打ち、天神16商業施設の約2千店が加盟するプロジェクト「天神ユナイテッド」(TU)の名義で企画。引退当日までラスト1カ月を、天神の総力を挙げて応援しようと8月11日に始まった。ラッピング車両は「アムロマンスとのコラボレーション企画」として西日本鉄道が単独で実施。西鉄福岡(天神)駅では天神大牟田線の発車ベルに名曲「Hero」のメロディーを鳴らすほどの気の入れようだ。

 イベントの核に据えられるのは、福岡三越9階三越ギャラリーで開催中の「namie amuro Final Space」。1992年のデビュー以来25年余に及ぶ活動の軌跡を、歴代のステージ衣装やライブツアー映像などでたどる体験型展覧会だ。東京、大阪、沖縄の3会場でも開かれ、福岡会場も連日多くのファンが詰め掛けている。

 イベントでは展覧会をPRする一方、買い物客に特製バッグを配布したり、展覧会アンテナショップとして一部施設で公認グッズを取り扱ったりして回遊を促す戦略も展開。展覧会関係者によると、県外からの来場者も予想以上に好調で、「SNS上に『天神がすごいことになっている』との情報が拡散している」。TU関係者も「8月の来街者数は平年なら低調なのに今年は好調。彼女の吸引力はすごい」。しっかり相乗効果を生み出しているといえそうだ。

 そこで気になるのは「arigatou」の意味。TU関係者は「実は、天神から安室さんへの『恩返し』のメッセージも込めている」と言う。天神を安室さん一色で染める月間イベントは半年前にも開かれ、今回で2度目。ここに謎解きのヒントがある。

 TUの母体は天神の商業施設や商店街でつくる「都心界」。1948年の発足以来、「天神はひとつ」を合言葉に天神の振興に取り組む親睦団体だ。ネット通販が台頭する中、競合同士で手を組み、天神全体の魅力アップを図る狙いで今春立ち上げたのがTU。立ち上げに向け、2月下旬の福岡ツアーに合わせ安室さんの応援キャンペーンを企画したところ、彼女は快諾し、画像を無償提供したそうだ。「来街者が増え、キャンペーンは大成功。大事なスタートでパワーをもらった恩を忘れない」。TU事務局の渡辺裕康事務局長は振り返る。

 さて、今回のイベントは地元ファンにどう映るのか。展覧会場を訪れた会社員女性2人組に聞いた。「いつ、いかなるときも憧れた彼女にもう会えなくなるのは寂しいけど、今日は彼女と天神の街から幸せをもらった気分」(福岡市・29歳)、「ずっと第一線で活躍し、時代を築いた安室ちゃん。存在感の大きさは変わらない」(同・30歳)-。

 ラッピング電車を案内してくれたのは「誕生日が安室ちゃんと同じ」という西鉄鉄道事業本部営業課の田中由貴さん(29)。「最後の花道を盛り上げる大仕事を西鉄の一員としてお手伝いできて光栄ですが、気持ちは街角で写メを撮ってるファンと同じ。引退は寂しいけど、感謝の気持ちでいっぱいです」

 最後にやっぱり気になるのは、天神の「安室ちゃん祭り」が本人に届いているか。彼女に近い展覧会関係者からこんな証言を得た。

 「展覧会の福岡会場をのぞき、福岡空港へ向かう彼女に同伴したときのこと。JR博多駅付近を車で移動中、彼女は運行中の西鉄ラッピングバスを車内から偶然見掛け、こう言ったんです。『あ、安室ちゃんだ。かわいい』って。すごくうれしそうでしたよ」

 平成の歌姫の引退に向け、福岡でも熱く始まったカウントダウン。天神の連帯感は強く、士気も高い。天神アムロマンスで触れる「arigatou」の受け止め方は人それぞれだが、愛と情熱と感動に満ちた感謝のメッセージであることは間違いないだろう。

=2018/09/03 西日本新聞=

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