【街 みらい】北九州市政点検 安全・安心な街目指して 暴追でイメージ改善へ 「楽しめる繁華街」官民でPR

飲食店の入り口付近に貼られた「暴排標章」。掲示する店舗は増えつつある=昨年9月、小倉北区(写真の一部を加工しています)
飲食店の入り口付近に貼られた「暴排標章」。掲示する店舗は増えつつある=昨年9月、小倉北区(写真の一部を加工しています)
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小倉繁華街PR動画の一場面。芋洗坂係長さん(中央)らがコミカルなダンスを披露している
小倉繁華街PR動画の一場面。芋洗坂係長さん(中央)らがコミカルなダンスを披露している
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 特定危険指定暴力団工藤会が本部を置く北九州市。市民を標的にした襲撃事件が相次いで発生したことなどから、インターネット上で「修羅の国」と揶揄(やゆ)され、街のイメージに暗い影を落としてきた。安全・安心な街の実現に向け、行政や警察だけでなく、市民も参加した継続的な取り組みがなされている。

 市では小倉北区で2011年に建設会社役員が射殺されるなど、市民を標的にした襲撃事件が多発。いずれも工藤会が関与したとみられる。事態を重く見た県警は14年、壊滅作戦に着手。組織のトップで総裁の野村悟被告(72)=殺人罪などで起訴=ら幹部の摘発が進む。

 壊滅作戦の進展に伴い、市や地元住民は街のイメージ回復に乗り出した。官民でつくる「小倉繁華街PR大作戦実行委員会」は昨年、地元出身のお笑いタレント芋洗坂係長さんを起用したPR動画を制作。「安心して楽しめる繁華街」をアピールする。

 小倉や黒崎の繁華街で暴力団員の入店を禁じた「暴排標章」を掲示する飲食店の数は、12年に掲示店舗の関係者を狙った襲撃事件が相次いだため低迷していたが、近年は増加傾向に転じた。市内事業所500社を対象にした17年度のアンケート(212社回答)では「暴力団の影響力を特に感じないから繁華街を接待などで利用している」とした企業が、前回調査(15年度)の12社から106社に増えた。

 市は昨年末、工藤会の本部事務所(小倉北区神岳1丁目)を固定資産税の滞納により差し押さえ、プロジェクトチームを発足。工藤会の象徴的存在といえる本部事務所の撤去に向け、動きを本格化させる。

 暴力団追放運動に携わる市内の60代男性は「暴力団への心配はなくなってきたが、街のイメージは簡単には変わらないだろう。誰もが安全で安心できる街と思えるよう、根気強く取り組みを続けていきたい」と力を込める。

=2019/01/10付 西日本新聞朝刊=

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