人口減、高齢化…課題の先進地「北九州の未来、私たちが決める」 市長選告示 新成人、自覚新た

派手な衣装で模擬投票する男性
派手な衣装で模擬投票する男性
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晴れ着姿で投票する女性たちも=13日午後、北九州市小倉北区の北九州メディアドーム前
晴れ着姿で投票する女性たちも=13日午後、北九州市小倉北区の北九州メディアドーム前
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 北九州市長選が告示された13日、ど派手ないでたちで知られる同市の成人式が開かれた。基幹産業の鉄鋼業を中心に昭和の日本経済をリードしたかつての「百万都市」は今、人口減少や高齢化など日本の多くの自治体が抱える課題の先進地となった。平成最後の新成人たちは、北九州市の未来をどう思い描いているのか。街に魅力がないと悲観的な見方の一方で、「古里の未来は私たちが決める」と覚悟を語る若者もいた。

 式場の北九州メディアドーム(小倉北区)は、仲間とそろいの羽織はかまでのぼり旗を掲げた男性や、きらびやかな振り袖の女性でごった返した。新成人は9770人。人口が約107万人とピークだった1979年の1万5706人から約6千人も減った。

 「古里は好きだけど、スペースワールドは閉園し、北九州は若い人を引き付ける施設が少ない。買い物も多彩な商業施設がある博多に行く」。小倉南区から福岡工業大(福岡市)に通う織田拓歩さん(20)は、就職先も地元以外を考えているという。広島の尾道市立大に通う八幡西区出身の木浦真帆さん(19)は帰省し、式に参加。「高齢化が進んでいるのに、まちづくりに工夫が足りないのでは」と北九州市に苦言を呈す。

 市によると、転出超過数は全国市区町村で2017年まで4年連続1位。大半を20~24歳が占める。卒業後、就職で古里を離れる若者も少なくない。18年3月の市内大学卒業者の地元就職率は22・1%。5人のうち4人が市を離れる。新成人が働き盛りの40代半ばとなる45年の市の将来推計人口(国立社会保障・人口問題研究所)は今より20万人近く減り、77万1千人になると予測される。

 市長選に立候補した共産推薦の新人永田浩一氏(53)、4選を目指す現職北橋健治氏(65)、水産加工会社社長の新人秋武政道氏(58)は、いずれも人口減少社会を課題に挙げ、新産業創出などによる若者の定住促進を訴える。

 しかし、戸畑区出身で東京の大学に通う女性(20)は「選挙には行かない。誰がなっても一緒」と冷ややか。15年の前回市長選は過去最低の投票率35・88%を記録。20~24歳の投票率はわずか12・73%だった。

 危機感を募らせた市は成人式に合わせ、会場で選挙の模擬投票を実施した。リーゼントに銀色の羽織はかま姿の男性会社員(20)は式後、仕事のために短髪に戻す。「若者が増えて街にもっと活気がほしい。式をきっかけに初めて投票に行こうかなと思う。古里の未来を決めていくのは私たちだから」と前を向いた。

=2019/01/14付 西日本新聞朝刊=

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