北九州市長選、投票まで1週間 現職の盤石体制に死角 市議会与党、多選に温度差も 2新人、公約違反と批判

魚町銀天街を歩きながら、有権者に政策を訴える北九州市長選の立候補者=20日午後4時すぎ、北九州市小倉北区(写真の一部を加工しています)
魚町銀天街を歩きながら、有権者に政策を訴える北九州市長選の立候補者=20日午後4時すぎ、北九州市小倉北区(写真の一部を加工しています)
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 現職と新人2人の三つどもえの戦いとなった北九州市長選は27日の投開票日まで残り1週間。4選を目指す現職の北橋健治氏(65)は市議会与党3会派(自民党、公明党、国民民主党系のハートフル北九州)に加え、経済界、連合など、自ら「盤石」と呼ぶ体制で、前回2015年で得た約20万票以上を目標に据える。一方、共産党推薦候補を含む新人2人は、かつて「(市長職は)3期まで」と明言した北橋氏への批判を強める。統一地方選や夏の参院選へと続く「選挙イヤー」を見据え、政党側も終盤戦へ力が入る。

 「福岡市と比較される方がいらっしゃるが、17年の人口10万人当たりの刑法犯認知件数は北九州市の方が少ない」

 19日、「忍の一字」を誓ったはずの北橋氏が遊説で熱くなった。投票を促す中で力が入り、4選出馬に対し「間違いなく(北九州市の)人口を減らした」と批判した麻生太郎副総理兼財務相を話題にしたのだ。陣営は、今回の市長選を3期12年の「信任選挙」と位置付ける。過去最低だった前回投票率35・88%を下回れば、目標超えに暗雲が垂れ込めるとの思いが強い。

 旧民主党衆院議員だった北橋氏は07年の最初の選挙で、自民、公明両党が推す候補に競り勝った。自民党市議団などとの関係改善のため、次の選挙で政党推薦を受けない最初の「市民党」を演出。ところが、前回15年は自民党側の意向で単独推薦を受け、連合など従来の支持者が反発した。

 市議会3会派から偏りなく支援を得る今回は、北橋氏にとって「初めて」と喜ぶ理想的な姿。「前回は自民単独推薦で約20万票。今回は3会派がまとまったので前回を下回れない」。選対幹部は表情を引き締める。

 政党関係者も同じだ。「自分の選挙のように市長を支えてください。いいですか」。13日、北九州市のホテルであった北橋氏の出陣式で、選対本部長に就いた自民党市議団の片山尹(おさむ)団長は、壇上横に並ぶ与党3会派の市議団にハッパを掛けた。出陣式に際し、自民党福岡県連の蔵内勇夫会長は「ご活躍をお祈り申し上げます」との祝電を出した。

 3会派による「市民党」の演出で支持固めは盤石に見えるが、不安材料も残る。「3期まで」を覆した北橋氏に不満を持つ自民党市議は「本気では応援しない」と明かす。

 新人陣営も攻撃を強める。共産党推薦の永田浩一氏(53)は「『大型箱物への税金投入はしない』との公約はどこに行ったのか」と訴え、「下関北九州道路」の建設促進の立場を取る北橋氏を批判。党は夏まで続く大型選挙も見据え、国会議員を送り込んで党勢拡大に力を注ぐ。

 地元水産加工会社社長の新人秋武政道氏(58)も多選自粛を掲げていた北橋氏への批判を強めている。

=2019/01/21付 西日本新聞朝刊=

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