北橋市政、背水の4期目 高齢化や人口減…課題山積の北九州市 産業育成、若者定着急務

支持者から花束を受け取る北橋健治氏=27日午後8時12分、北九州市八幡東区
支持者から花束を受け取る北橋健治氏=27日午後8時12分、北九州市八幡東区
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洋上風力発電部品の組み立てエリアになる予定の港湾地域=北九州市若松区
洋上風力発電部品の組み立てエリアになる予定の港湾地域=北九州市若松区
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 27日投開票された北九州市長選は現職の北橋健治氏(65)が勝利した。成長路線をひた走る福岡市とは対照的に、人口減、高齢化が加速する「課題先進都市」。「鉄都」の産業基盤を生かし、介護ロボットのように人手不足と高齢者増に対処できる課題解決型の新産業を産学官で育成し、若者の地元定着を促していく環境づくりが急務だ。

 「まず経済基盤を充実させないと若者も定着しないし、ほかの事業もうまくいかない」。27日夜、当選確実の報を受けた後、記者団にこう強調した。背景にあるのは地元経済の厳しい現実。一昨年暮れにテーマパーク「スペースワールド」(八幡東区)が閉園。昨年夏にはJR小倉駅前の都心部のデパート撤退が明らかになり、北橋氏に対して「経済政策は大丈夫か」との批判が噴出した。市の「新成長戦略」では市民所得を「20政令市の中位に押し上げる」としているが、戦略策定時の15位から18位(2017年度)に順位を落とし、7位の福岡市とは差がついたままになっている。

 選挙期間中、若者が定着できる新産業を育成し税収を確保して高齢化社会にも対応するシナリオを訴えた北橋氏。特に力を込めるのが、響灘海域で進む大規模な洋上風力ファームの建設計画だ。民間グループが投じる資金は約1750億円。風車の部品数は1万点以上に上り、洋上風力発電の産業拠点化への期待は高い。市も関連施設の整備などで支援する。「海外にも風車を輸出できる産業にしてほしい」と鉄鋼加工メーカー社長(44)。選挙戦で論争となった「下関北九州道路」建設も「中長期的な仕事確保につながる」と歓迎の声がある。高齢者の移動支援など介護ロボットの実証事業も全国に先行していると北橋氏は強調する。

 市西部の都心黒崎地区では5月末以降、井筒屋店舗が縮小する。地元商店主の堀敬治さん(56)は「商店街は空き店舗があるが、マンションの新設など明るい材料も出ている」と指摘。スペースワールド跡地には21年中にイオングループが複合施設を開業する予定で需要を取り込める支援策を市に求める。

 ただ、20年度末には新日鉄住金八幡製鉄所の小倉地区の高炉が休止するなど経済の先行きは厳しい。昨年末、北橋市政に批判的な発言をした北九州商工会議所の利島康司会頭は「地域経済の再生、人口減の改善など課題が山積しており、背水の陣で4期目に挑んでいただきたい。経済界としても最大限の協力を惜しまない覚悟だ」とのコメントを出した。

=2019/01/28付 西日本新聞朝刊=

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