北九州市長に北橋氏4選 2新人破る 投票率最低33・48%

4選を確実にし支持者らに感謝する北橋健治氏(中央)=27日午後8時すぎ、北九州市八幡東区
4選を確実にし支持者らに感謝する北橋健治氏(中央)=27日午後8時すぎ、北九州市八幡東区
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 北九州市長選は27日、投開票され、無所属現職の北橋健治氏(65)が、共産党福岡県委員会常任委員の永田浩一氏(53)=共産推薦=と、水産加工会社社長の秋武政道氏(58)のいずれも無所属新人2人を破り、4選を決めた。選挙戦は、全国の中でも深刻な人口減少への対応や北橋氏自身の多選などが争点となった。「洋上風力発電など新たな産業が生まれつつあり、残された政治生命で道筋を付けたい」などと訴えた北橋氏が、広く支持を集めた。

 旧民主党衆院議員だった北橋氏は、前回2015年選挙で自民党の単独推薦を受けたが、今回は市議会与党3会派(自民党、公明党、国民民主党系のハートフル北九州)や経済界、連合などが支援する「市民党」を掲げた。初当選後に「4選以上出るべきではない」と多選自粛を明言していた北橋市政「3期12年」の評価を問う「信任投票」の色合いが濃かった。

 有権者の関心は高まらず、投票率は33・48%と前回35・88%を2・4ポイント下回り、過去最低を更新した。

 北橋氏は27日夜、記者団に「若者が地元に定着できるような産業育成を進め、日本一住みやすい街にするというラストミッション(最後の使命)を実現させたい」と抱負を語った。

 永田氏は「(北九州市と山口県下関市を結ぶ)下関北九州道路など大型公共事業は推進せず、福祉などに予算を回す」と訴えた。秋武氏は、長年街づくりに携わってきた経験から「市民の声に耳を傾ける市長になる」と強調し、北橋氏の批判票を取り込もうとしたが、支持は限定的だった。

 当日有権者数は79万4276人(市選管調べ)。

■北九州市長選 (開票終了)

当 北橋 健治 無現   196,684

  永田 浩一 無新    38,555

  秋武 政道 無新    27,223


■「3期まで」撤回、求心力課題

 【解説】27日投開票された北九州市長選で4選を決めた現職の北橋健治氏(65)は、選挙戦で4期目を「ラストミッション(最後の使命)」と明言した。「3期まで」との公約を覆した手前、リスクは覚悟の上で多選への理解を求めた。4年間、求心力を維持できるかが最大の課題となる。

 北橋氏は、4期目の一つのピークを2020年に据える。日中韓の文化交流を1年間にわたり担う同年の「東アジア文化都市」に文化庁から選ばれ、文化事業の集大成と位置付ける。

 翌21年初めに市議選がある。北橋氏を支える自民党市議団の世代交代が進めば、4選に不満を持つ市議らが次の市長選をにらんで主導権争いを始め、反北橋にかじを切る市議も出かねない。「市議選の後、ポスト北橋選びが始まる」。ベテラン市議は断言する。

 自民、公明両党と市議会与党3会派を形成する国民民主党系会派「ハートフル北九州」がもともと、北橋氏の支持母体。「3期12年で関係者が妥協を重ね、今の相乗りがある」(自民党国会議員)。自民党側から相乗りできない候補が推されたり、ハートフルが独自候補擁立に動いたりすれば、4期目終盤の北橋氏の政治基盤は大きく揺らぐ。

 4期目の推進力にと考えるテーマが、15年の国連サミットで採択されたSDGs(持続可能な開発目標)。教育など17の目標設定があり、市は環境対策などが評価され国内外でモデル都市に選ばれているが、具体的な展開はこれから。「SDGsの先進自治体」という目標を達成し、求心力維持を図れるか。市民が見届ける4年間となる。

=2019/01/28付 西日本新聞朝刊=

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