胎児性水俣病患者の半永さんが地元で写真展 優しい視線、笑顔あふれ [熊本県]

水俣市立水俣病資料館で開かれている半永一光さんの写真展
水俣市立水俣病資料館で開かれている半永一光さんの写真展
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 胎児性水俣病患者の半永一光さん(61)=水俣市在住=が撮りためた作品を披露する写真展「まなざし」が、市立水俣病資料館で開かれている。車椅子に座ったまま不自由な手でシャッターを切り、構図が傾いていたり、ピントがずれていたり…。独特な視点や被写体の人物から向けられる優しい視線が、パネルいっぱいに表現されている。

 1955年に市内で生まれた半永さんは、62年に患者認定された。作家石牟礼道子さんの「苦海(くがい)浄土」に登場する「杢(もく)太郎少年」のモデルとされ、17歳から患者療養介護施設「明水園」で暮らす。この頃、写真家の故塩田武史さんから贈られたカメラで撮影を始め、97年には写真集「ふれあい・撮るぞ」も刊行した。

 会場には、97年以降に撮った約40点が並ぶ。念願の東京ディズニーリゾートを訪れた際の1こまや、日常生活を支えてくれる介護職員、患者仲間など、どの作品にも笑顔があふれる。思うように話せない半永さんに代わり、友人の加賀田清子さん(61)は「『写真展で多くの人に見てもらいたい』との意志が強かった。たくさんの人が登場するのが彼の作品の魅力」と話す。10月31日まで。月曜休館。無料。

=2017/08/11付 西日本新聞朝刊=

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