益城のマルシェ10日再開 地震から1年5カ月、住民要望受け [熊本県]

摘んだ茶葉の匂いと手触りなどを確認する富澤堅仁さん
摘んだ茶葉の匂いと手触りなどを確認する富澤堅仁さん
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 昨年4月の熊本地震で甚大な被害を受けた益城町で、地元農家や商工業者が食品や特産品を販売するマルシェ「益城ふるさと市場『はぴまる』」が10日、地震から約1年5カ月を経て再開する。出店者の多くも被災し、店を失うなどしたが、再開を望む住民の声に後押しされた。実行委員会会長の富澤堅仁(けんじ)さん(35)は「益城の元気を伝えたい」と意気込む。

 「はぴまる」は町の特産品をPRするため、2014年から毎月第3日曜日に開き、大勢の人たちでにぎわっていた。昨年4月17日も開催予定だったが、地震で休止が続いていた。

 富澤さんは、創業88年目の老舗製茶販売店の4代目。同14日の前震から3日間は消防団員として、不眠不休で活動に当たった。年間売り上げの8割を稼ぐ新茶シーズンの直前。自宅と店舗は全壊したものの、約3ヘクタールの畑は幸い被害が軽く、地震前と変わらぬ青々とした茶葉が茂るのを見て、「『俺は立っているよ、頑張れ』と言われた気がした」。

 避難所で暮らす人やボランティアが畑の作業を手伝ってくれた。昨年6月からは被災店主が集まる仮設商店街「益城復興市場・屋台村」で営業を再開。「収入は2割減だったけど、力を貸してもらって、感謝しかありません」と話す。

 益城町では、被災した住宅など約5600棟の公費解体が9割を超えるまで進み、更地が目立つ。住民の生活再建は途上だが、富澤さんたちは「にぎわいを取り戻して住民を勇気づけ、お世話になった皆さんに益城のパワーを見てもらいたい」と、「はぴまる」再開にこぎ着けた。

 当日は午前9時~午後3時、同町木山の町仮設庁舎駐車場で開催。菊池市の名物「軽トラ朝市」の出店者も含め約30店が参加。キッズダンスや復興祈願の豆まきなどもある。

=2017/09/09付 西日本新聞朝刊=

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