災害VC運営、若者主体で 「熊本方式」をシンポで評価 SNSを駆使 「ゆるさ」被災者の支えに [熊本県]

熊本地震での災害ボランティアセンター運営などの活動を報告する大学生たち
熊本地震での災害ボランティアセンター運営などの活動を報告する大学生たち
写真を見る

 熊本地震の直後から、支援に駆け付けた人たちを受け入れ、支援の必要な現場に送り込む災害ボランティアセンター(VC)の運営を大学生などの若者が担った「熊本方式」が、全国的に注目を集めている。無料通信アプリ「LINE(ライン)」や、短文投稿サイト「ツイッター」などを駆使して被災地の情報を収集したり、学生同士のネットワークを活用したりと、体力と時間にも余裕のある若者ならではの強みを生かした支援が威力を発揮した。

 災害VCは通常、市町村の社会福祉協議会が設置し社協職員が運営を担う。しかし、熊本市社協は本震から4日後の昨年4月20日、人手不足を懸念し、大学や学生ボランティア団体に協力を依頼。22日に災害VCを市中心部の広場に設置し、学生主体で運営した。

 市の災害VCが閉所してちょうど1年となる11月26日に開かれたシンポジウムで、県立大の沢田道夫准教授(アドミニストレーション)は「熊本方式」によって「社協職員の負担軽減になり、被災者対応に専念できる」と評価。「災害VCの運営は今後、熊本方式を主力として考えるのが望ましい」と提言した。

 災害VC運営に関わった県立大4年の岩崎貴夏矢(たかや)さんは「ボランティアの受け付けや誘導などの業務を班ごとに分担し、課題改善のため会議を重ねた」と報告。「会員制交流サイト(SNS)などで情報を共有し、人員確保もスムーズにできた」と語った。

 西南学院大(福岡市)4年の伊藤貴佳子さんは、学生ボランティア団体「いと」代表として、募金活動や仮設住宅の環境整備に取り組んだ。「地震直後、ボランティアで活動する熊本の学生たちの疲れた表情が気になった」と振り返り、外部からのサポートの大切さを呼び掛けた。

 7月の九州豪雨の被災地でボランティアに取り組む学生らも参加し、経験を共有した。豪雨被災地に隣接する福岡県うきは市の施設「うきはベース」は、ボランティアの学生たちの宿泊場所として利用され、活動拠点となっている。運営メンバーの一人、北九州市立大4年の前田謙さんは「学生には肩書にとらわれない良い意味での『ゆるさ』があり、被災者が頼りやすい面がある」と話した。

 シンポジウムは熊本市社協が主催。九州の大学生や高校生らが参加した。

=2017/12/04付 西日本新聞朝刊=

西日本新聞のイチオシ [PR]

西日本新聞のイチオシ [PR]