「第二の故郷熊本に感謝」 仙台出身の杉沢さん高校卒業 2つの地震経験、東北との懸け橋に [熊本県]

笑顔で卒業証書を受け取る杉沢さん(右)
笑顔で卒業証書を受け取る杉沢さん(右)
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 熊本市東区の熊本マリスト学園高で31日、県内の高校で最も早い卒業式があり、仙台市出身の杉沢真生(まさき)さん(18)も巣立ちの日を迎えた。在学中に起きた熊本地震の際は「東日本大震災の時の恩返し」と故郷の街頭で1人、募金を呼び掛けた。「熊本は自分を成長させてくれた第二の故郷。感謝しきれない」。卒業後は地元の東北大に進学する。

 2016年4月14日夜。寮の自習室で前震に遭い、小学5年で体験した東日本大震災の記憶がよみがえった。寮の壁ははがれ落ち、パニックになった寮生を避難誘導した。校舎内で雑魚寝していた16日未明、今度は本震に襲われた。学校は休校となり、仙台の実家に戻った。

 益城町に住む友人から無料通信アプリのLINE(ライン)で、崩れ落ちた家や倒れた電柱の写真が送られてきた。「震災の時は多くの人から支えられた。次は自分が助ける番だ」。

 拡大した学生証のカラーコピーを首から下げ、手作りの募金箱を手に1人でJR仙台駅前に立った。最初は不安だったが、「頑張って」と声を掛けてくれる人たちが励みになった。学校が再開されるまでの約2週間で、92万円が集まった。

 熊本に戻ると友人が感謝の言葉をくれた。昨年7月の九州豪雨でも、生徒会の募金活動に参加した。

 「人間的に自立したい」と親元を離れ、縁もゆかりもない熊本で過ごした3年間。卒業式で歌った「仰げば尊し」に涙がこみ上げた。故郷に戻り、パイロットになる夢を追う。「これからは東北と熊本をつなぐ懸け橋になりたい」。力強く誓った。

=2018/02/01付 西日本新聞朝刊=

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