記憶伝える広場に再生 被災し解体された赤レンガ倉庫跡 八代・日奈久 [熊本県]

完成した「レンガのひろば」と整備した住民有志や学生ら
完成した「レンガのひろば」と整備した住民有志や学生ら
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 大正時代に建てられ、熊本地震で被災し、解体された「日奈久赤レンガ倉庫」(八代市日奈久中町)跡地に12日、住民有志や熊本高専の学生の手で、解体後のれんがを再利用した「レンガのひろば」が約10カ月がかりで完成した。住民たちは「日奈久温泉街の新名所に」と意気込む。

 倉庫は1921(大正10)年の建築で、俳人種田山頭火が投宿した旧木賃宿「織屋(おりや)」に隣接。港に近く、塩干物などの保存倉庫として使われた後、織屋の別館などを経て、地震前はイベント会場としてまちづくり拠点の一つになっていた。

 地震で壁が一部崩れ、ひび割れも発生。一時期は復旧の動きもあったが、周囲に危険を及ぼす恐れがあると判断した所有者が昨年2月に解体した。跡地の活用について住民から相談を受けた熊本高専建築社会デザイン工学科の森山学教授が、ゼミの学生たちにアイデアを募り、「レンガのひろば」計画が生まれた。

 広場造りには解体後のれんが約2千個を利用。住民有志と学生、教員計約30人が昨年5月から毎月2回ほど集まって作業した。倉庫の壁があった位置に高さ約35センチまでれんがを積み直して壁の一部を復元し、ベンチとした。広場の中央には倉庫の三角屋根と同じ形にれんがを埋め込んだ。

 「元の倉庫の記憶が後世に残るように工夫しました」と同学科5年の蔵原周太朗さん(20)。日奈久住民自治会の橋本勝利副会長(74)は「世代を超えた交流の場と観光名所になるように活用したい」と話した。3月3日午後1時半から、お披露目式を開く。

=2018/02/13付 西日本新聞朝刊=

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