ぼかし肥料、除草に効果 湯前の那須さん実践 安全、安価、手軽 発案は「偶然の産物」 [熊本県]

水田の除草に威力を発揮する有機発酵肥料「ぼかし」を手にする那須辰郎さん
水田の除草に威力を発揮する有機発酵肥料「ぼかし」を手にする那須辰郎さん
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 安全で安心な作物を提供するため無農薬・有機栽培に取り組む稲作農家にとって、悩みの種は刈っても刈っても生い茂る雑草-。湯前町の農業、那須辰郎さん(89)は、有機発酵肥料の「ぼかし」を活用した除草法を実践しており、農業専門誌でも紹介された。那須さんに話を聞くと、安価で手間が掛からない優れたアイデアは、「偶然の産物」なのだという。

 ぼかしは、米ぬかや油かすなどの有機物をEM菌で発酵させた肥料。那須さんによると、肥料として使う場合は田に水を張る前に散布するが、除草目的の場合は田植え直前の水を張った後にまくという。

 那須さんが、ぼかしの除草効果に気付いたのは十数年前。季節は5月だった。知人から無農薬農法に取り組みたいと相談を受けたものの、既に田は水を張っていた。やむを得ず、水をたたえた田にぼかしをまいたところ、その田だけ雑草が生えないことに気付いたという。翌年以降も同じタイミングでぼかしを散布し、除草効果を確認。現在は那須さんが会長を務める球磨自然農法研究会の会員農家12軒などが実践している。

 「水中でぼかしは植物の種子の発芽を妨げる効果があるのではないか」と那須さんはにらむ。水田では、雑草の種子の発芽を抑える一方で、苗に育ってから植える稲の生育には影響しないようだ。

 無農薬・有機農法では、手作業やアイガモ農法、除草機などで除草をするが、手間や費用などに課題がある。「ぼかし利用は、本来使う肥料の使用時期を変えるだけで追加費用もかからず、水田面積の大小も問わない」と、那須さんは利点を強調する。県外からの視察や採用例もあり「希望があれば詳細を説明したい」と話している。問い合わせは、那須さん=0966(43)2286。

=2018/02/10付 西日本新聞朝刊=

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