復興需要で業者不足、入札4回不成立 東部支援校着工できず [熊本県]

施工業者が決まらず着工できない状況が続く東部支援学校(仮称)の校舎建設予定地=熊本市東区
施工業者が決まらず着工できない状況が続く東部支援学校(仮称)の校舎建設予定地=熊本市東区
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 県教育委員会が2019年春、熊本市東区に開校を予定している東部支援学校(仮称)の校舎建設工事が始められない事態が続いている。熊本地震の復興需要に伴う業者不足で災害公営住宅などの入札不調・不落が相次いでおり、同校の入札も過去4回実施したものの業者が決まらなかった。障害のある生徒の増加に対応するため開校は先送りできず、県教委は隣接する熊本聾(ろう)学校などの空き教室を利用する代替案を検討中だ。

 県によると、昨年10月の最初の入札は参加業者がなく不調となり、以降3回は業者の提示価格が県の予定落札価格を上回り不落に終わった。校舎は熊本聾学校の敷地内に4階建て(延べ面積約8700平方メートル)を建てる計画で、県は17年度一般会計当初予算に約11億7千万円を計上し、工期1年1カ月を見込んでいた。

 県監理課は「規模が大きく工期が長いため、その間に人件費や資材が高騰するリスクを恐れて業者が手を上げたがらない」と分析する。

 県教委によると、特別支援学校の児童生徒数は、2008年から10年間で483人増加。各支援学校では一つの教室をついたてで仕切り2学級が利用するなどスペース確保に苦慮しているという。

 東部支援学校は、知的障害がある高校生と同年代の生徒のために新設し、建設地の近くにある熊本支援学校東町分教室の在校生や新1年生が入学する。定員216人を予定しており、教室などの過密状態の解消につながるため保護者や学校関係者の期待は大きい。

 県教委の担当者は「着工の遅れが続けば、空き教室では対応できなくなる可能性もある。早く業者が決まってほしい」と頭を抱えている。

 ■不調不落、地震後に増 復興遅れ懸念も

 県内では、公共工事の入札の不調・不落が相次ぎ、被災地の復旧や復興が遅れかねないことへの懸念も広がっている。

 地震の影響で部分開園を続ける熊本市動植物園(熊本市東区)は、給水管工事の入札不落で目標としていた今春の全面開園を断念。県が甲佐町に整備する災害公営住宅(22戸)は今月、3度目の入札で業者が決まったが、工期が当初予定の5月から来年3月までにずれ込んだ。

 県によると、県発注工事の不調・不落の割合は、地震前の2015年度は1・74%だったのに対し、17年度は1月末までの実績で21・81%に急増している。

=2018/02/23付 西日本新聞朝刊=

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