水俣の財産、再構築を 市民団体「本願の会」主催 企業城下町テーマに座談会 [熊本県]

水俣病を巡る現状について意見を交わす公開座談会の参加者たち
水俣病を巡る現状について意見を交わす公開座談会の参加者たち
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 公式確認から5月1日で62年となる水俣病問題に、それぞれの立場で向き合ってきた7人による公開座談会が24日、水俣市で開かれた。父親を劇症型水俣病で亡くし、「チッソは私であった」の著作もある緒方正人さん(64)や、水俣病センター相思社の世話人を創立から16年間務めた柳田耕一さん(67)などが参加。「企業城下町と地方自治」をテーマに語りあった。

 主催した水俣病患者などでつくる市民団体「本願の会」は、10日に亡くなった作家石牟礼道子さんらが1994年に結成した。会の事務局長で、司会を務めた金刺潤平さん(58)は、水俣病を巡る市民の意識に溝があり「落ち着かない状態になっている」と指摘。約10年前から市内に住む熊本大文学部の石原明子准教授(44)は「水俣病事件は、人間が命に根ざした存在であることを気づかせてくれる財産。水俣の哲学を再構築してみたい」と話した。

 「漁師の生活と近代文明が衝突した結果、水俣病は起きた」と話した緒方さんは「自然界と人間社会の調和の問題であり、自然への信心を失ってはいけない」と強調。柳田さんは「問題解決には順序がある。行政がまず被害調査をしていない時点で無理がある」と語った。

=2018/02/25付 西日本新聞朝刊=

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