益城の区画整理案可決 町都計審再審議 地権者85%が賛意 [熊本県]

益城町中心部の区画整理事業の事業区域案が可決された町都市計画審議会
益城町中心部の区画整理事業の事業区域案が可決された町都市計画審議会
写真を見る

 熊本地震で大きな被害を受けた益城町中心部で計画中の区画整理事業について、町都市計画審議会は5日、昨年12月に否決した町提案の約28・3ヘクタールの事業区域案を再審議し、可決した。町と事業を代行する県が行ったアンケートで、回答した地権者の85%が「賛成」「どちらかというと賛成」と回答した。

 町は月内に県の同意を得て都市計画決定し、当初6月を予定した国からの事業認可は秋にずれ込む見通し。

 都計審は否決理由を「住民の理解が不十分」としていた。これを受け、町と県は1月中旬から、事業区域内の全地権者410人のうち403人を訪問して再説明。うち370人から賛否の意向を確認した。

 この日の都計審は町区長会長や町議ら8人の委員のうち7人が出席し、全会一致で可決。付帯意見として「住民の意見や要望などを十分受け止め、丁寧な対応に努めること」を求めた。欠席した住永金司町商工会長は「これからも意見をしっかり聞いて進めてほしい」との文書を寄せた。

 西村博則町長は会合後、「スピード感を持って復興に取り組む」とコメント。蒲島郁夫知事は「全力を挙げて町と連携しながら事業を進める」と述べた。

 事業は、災害に強い町づくりを目的に、道路の拡幅や公園整備などを行う。総事業費は100億円を超える見込み。国が約半分を負担し、残りの約9割を県、約1割を町がそれぞれ負担する。都市計画決定後、県と町は事業に関する協定を交わし、県は事業費を凍結していた用地取得も進める方針。

■「3カ月も遅れ憤り」 「補償がどうなるか」 対象住民、安堵と不安

 益城町中心部の区画整理の事業区域案が再審議の末に可決された5日、対象区域の住民からは安堵(あんど)や不安の声が出た。

 「やっと復興のスタートラインに立てた。3カ月も遅れ、憤りを感じていた」。町都市計画審議会を傍聴した木山地区の富田正寿さん(69)は表情をほころばせた。同地区の女性(55)も「ほっとした。また否決なら町の発展はないと思っていた」と歓迎した。

 一方、町と県の地権者アンケートでは、事業に「反対」「どちらかというと反対」との回答も13%あった。同地区の男性は「補償がどうなるか分からない。事業計画に関係なく再建したい」と話す。

 都計審では、前回否決に回った委員から「地権者への説明をもっと早くするべきだった」との意見も出た。西村博則町長は「やり方には反省がある」と述べた。

=2018/03/06付 西日本新聞朝刊=

西日本新聞のイチオシ [PR]

西日本新聞のイチオシ [PR]