「ソバの村」で新名物バーガー 南阿蘇村 被災の水田活用、生産者に補助3倍 [熊本県]

「そば道場」でそば打ち体験をする親子連れ
「そば道場」でそば打ち体験をする親子連れ
写真を見る
ソバをふんだんに使ったバンズ(パン)が特長の「あそのみなみのそばさんど」
ソバをふんだんに使ったバンズ(パン)が特長の「あそのみなみのそばさんど」
写真を見る

 熊本地震で落ち込んだ観光客の回復に向け、南阿蘇村が特産のソバのブランド化に向けて動きだした。村で収穫したソバへの補助額を3倍に引き上げて収量アップを狙うほか、4月からソバを使ったハンバーガーを新名物として売り出す予定。農地活用と観光客誘致の一石二鳥を目指し、あの手この手を探る。

 村の環境保全農業推進協議会が作った「あそのみなみのそばさんど」は、見た目は普通のハンバーガー。こだわりは特産の「あか牛」やトマトなどの具材だけでなく、バンズ(パン)にある。村内産のそば粉と、殻をむいた丸実、そば湯を生地に練り込んだ。東海大や県との協同開発で、村農政課の担当者は「何度も試作を繰り返してたどり着いた味。幅広い世代にソバを食べてもらうきっかけにしたい」と話す。

 村は数年内に、食事とそば打ち体験ができる施設「そば道場」を観光客の多い道の駅「あそ望の郷くぎの」に移転する方針で、バーガーとともにソバのさらなる消費拡大を目指す。

 ソバは旧久木野村が産地で、合併後は村全体に生産者が広がった。地震後は、水を使わずに栽培できる点が注目された。

 村は昨年、地震で被災して稲作ができない水田を活用してソバへの転作を促そうと、ソバ1袋(22・5キロ)につき1500円を助成する取り組みを始めた。被災して植え付けできないソバ畑もあったものの、事業の効果もあり、作付面積は地震前と同じ125ヘクタールを維持できたという。

 さらなる収量アップを狙い、新年度からは助成額を1袋4500円に引き上げる。村農政課は「ソバの栽培は手間がかからないので、遊休地を利用する人が増えるのでは」と期待する。

 村内産のソバは、全量を第三セクター「くぎの」が買い取り、そば道場で食事やそば打ち体験に使用したり土産品として販売したりしている。昨年の収量は2160袋(48・6トン)。同社の藤原健志社長は「ブランドを維持するには年60~80トンは必要。収量が増えれば流通も増え、ブランド力が高まる」と話す。

 吉良清一村長は「ソバの村というイメージを打ち出し、観光の柱にしていきたい」と話している。

=2018/03/25付 西日本新聞朝刊=

西日本新聞のイチオシ [PR]

西日本新聞のイチオシ [PR]