南阿蘇村の吉良清一村長に聞く 立野地区復興、雇用が鍵 定住促進へ担当課を新設 [熊本県]

南阿蘇村の吉良清一村長
南阿蘇村の吉良清一村長
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 熊本地震で主要な道路や鉄道が被災し、一時は“陸の孤島”となった南阿蘇村。復旧復興に向けた課題を吉良清一村長に聞いた。

 -現在、一番の課題は。

 「まだ約1200世帯が仮設住宅か、みなし仮設住宅に入居しており、その後の住む場所を決めていない人が少なからずいる。自宅再建するのか災害公営住宅に入るのか、道筋が立たない状況が一番つらいと思う。できれば仮設住宅の入居期限のあと1年間で問題を解決できるよう、説明会や相談会を開きながら将来の展望が持てるようサポートしていきたい」

 -交通インフラは改善しつつある。

 「阿蘇大橋は2020年度の開通が予定されるが、国道57号の現道復旧は依然として見通しが立っていない。昨夏に阿蘇長陽大橋が復旧し、立野地区と村中心部との分断が解消されたのは大きかった。ただ、まだ自宅に戻っていない人が多い」

 -立野地区の課題は。

 「雇用が鍵になると思う。阿蘇大橋付近に道の駅のような観光案内施設やレストランを造るとか、後継者がいない農地をいっそ畜産向けに使うとかもアイデアの一つだろう。国が建設予定の立野ダムも観光に生かしたい。阿蘇の玄関口としてにぎわう青写真を作れば、戻りたいと思えるのではないか」

 -被害が大きい地域の人口流出が懸念される。

 「できるだけ若い人に残ってもらい、さらには外からも呼び込む施策が必要だ。4月に次世代定住課を新設し、移住促進と子育て支援の拡充をセットで進めている。税金のばらまきではなく、自然環境なども含めたセールスポイントを強めることが大事だ」

 -南阿蘇鉄道は全線復旧のめどが付いた。

 「南阿蘇鉄道は観光復興の要。レストラン列車や自転車を乗せられる車両を導入するなど、夢のある将来も考えていきたい」

 -人手不足は。

 「復旧事業で予算規模がかなり大きくなり、役所の業務量が増大しているのに、技術職を中心に職員数が足りていない。あと3、4年は応援職員が必要だろう」

 -地域防災計画の見直しがまだ途中だ。

 「早急に策定したい。地震前まで防災訓練をほとんどしてこなかったために役所内が混乱した反省がある。計画を作るだけでなく、年に2回くらいは訓練を実施していきたい」

=2018/04/10付 西日本新聞朝刊=

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