「あなたを忘れない」 地震2年 県内各地で犠牲者追悼 [熊本県]

宇城市であった「復興祭in豊野」で防災頭巾作りに挑戦する子どもたち
宇城市であった「復興祭in豊野」で防災頭巾作りに挑戦する子どもたち
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坂本龍也さんが亡くなった場所を訪れ、花を手向ける本村春子さん
坂本龍也さんが亡くなった場所を訪れ、花を手向ける本村春子さん
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 熊本地震の前震から2年となった14日、県主催の犠牲者追悼式など県内各地で犠牲者を悼む催しがあった。県内ではなお、自宅再建のめどが立たない被災者も多い。被災者らはあの日の記憶を胸に刻み、生活と古里の復興を誓い合った。

●県追悼式

 県庁であった県の犠牲者追悼式には、78人の遺族などが参列した。母節子さん=当時(74)=が震災関連死に認定された熊本市北区の今村美加さん(47)は「今も地震を思い出すのがつらい」。節子さんは本震の日から心臓病で入院し、約4カ月後に帰らぬ人となった。「天国では好きなものを食べてほしい」と悼んだ。

 「母は今も変わらずにいるような気がする」。同市東区の船瀬和美さん(59)は、地震後に亡くなった母の津崎操さん=同(89)=のことをしのんだ。津崎さんは本震後の避難中に体調が急変し、関連死に認定された。同市南区の佃和人さん(46)も地震の約2週間後、同居していた母恵美子さん=同(76)=を亡くした。現在は1人暮らし。「たまに話し相手がいなくて寂しくなる」と漏らした。

●益城町

 2度の震度7の激震で甚大な被害を受けた益城町惣領。前震で倒壊したブロック塀の下敷きとなり、熊本市東区の坂本龍也さん=同(29)=が亡くなった現場では、勤務先の弁当店の同僚だった本村春子さん(59)が花を手向けた。坂本さんの自宅では、遺影の前にビールが並んでいた。母雪子さん(60)は「よく一緒にビールを飲みながらテレビを見たり仕事の話をしたりしていた。2年たっても息子を失った悲しみは薄れない」と手を合わせた。

●熊本城

 復旧工事が続く熊本市の熊本城。自宅が半壊し、みなし仮設に暮らす同市東区の会社員島田志朗さん(45)は、工事用の足場に囲まれた天守閣にカメラを向けた。「当初は娘が余震におびえる日が続いたが、この春、無事に小学校に入学した。熊本城も着実に復旧に向かっており、励みになる」。傘を手に観光客の誘導に当たる案内スタッフの池田博敏さん(74)=同市北区=は「自宅の瓦が落ちてくる中を、妻と必死に避難したことを鮮明に覚えている」と振り返った。

●宇城市

 宇城市豊野町の豊野公民館では、地元の市民団体「復興支援センターうきのわ」(糸山公照代表)主催の「復興祭in豊野」があり、被災者やボランティアが交流。地域の宗教者が復興祈願や犠牲者追悼法要を行ったほか、子どもたちが防災頭巾作りを体験した。

=2018/04/15付 西日本新聞朝刊=

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