清正公築造の水路群選定 世界かんがい施設遺産国内候補 「観光に役立てたい」 [熊本県]

岩場をくりぬいた水路に仕切り状の岩盤が残る鼻ぐり井手(熊本市提供)
岩場をくりぬいた水路に仕切り状の岩盤が残る鼻ぐり井手(熊本市提供)
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 初代熊本藩主加藤清正が約400年前に手掛けた白川流域の農業用水路(熊本市、菊陽町、大津町)が、国際かんがい排水委員会(ICID)の世界かんがい施設遺産の国内候補に選ばれた。本部の審査を通過すれば8月にも登録される。

 申請した黒川・白川河川流域水土里(みどり)ネット連携協議会の甲斐純一郎会長(64)は1日、熊本市役所で記者会見に臨み、「清正公が築いた水路が今も大事に使われていることをPRし、観光や郷土史学習に役立てたい」と話した。

 候補となった農業用水路は上井手▽下井手▽馬場楠井手▽渡鹿-の4用水で構成。加藤清正の計画に従い1606~37年に完成し、流域に約1800ヘクタールの水田を生み出したとされる。

 このうち馬場楠井手の「鼻ぐり井手」(菊陽町)は、岩場をくりぬいた水路を数メートル間隔で仕切る岩盤を残し、下部に半円形の穴を開けている。水流が仕切りにぶつかり渦を巻き上げ、底に阿蘇山の灰を堆積させない工夫が施されている。

 世界かんがい施設遺産は、築100年以上の農業水利施設のうち、食料増産やかんがい技術の発展などに貢献した施設が対象。2014年度に登録制度が始まり国内に31カ所。県内では通潤用水(山都町)と幸野溝・百太郎溝水路群(湯前町など)が登録されている。

=2018/05/03付 西日本新聞朝刊=

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