「こうのとりのゆりかご」11年 預け入れ減少、課題は周知不足か 院長「1人でもいる限り存在意義」 [熊本県]

「こうのとりのゆりかごや電話相談で赤ちゃんの命を救えた」と開設からの11年間を振り返る慈恵病院の蓮田太二院長(左)と健副院長
「こうのとりのゆりかごや電話相談で赤ちゃんの命を救えた」と開設からの11年間を振り返る慈恵病院の蓮田太二院長(左)と健副院長
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 熊本市西区の慈恵病院が親が育てられない新生児を匿名で預かる「こうのとりのゆりかご」(赤ちゃんポスト)は10日、開設から11年を迎えた。記者会見に臨んだ蓮田健副院長は、赤ちゃんの預け入れ数が当初より減る一方、電話相談が年間7千件を超え増加していると説明し、「電話相談が預け入れを未然に防いだとも考えられるが、周知不足が課題だ」と述べた。

 初年度の2007年度は17人の子が保護されたが、16年度は過去最少の5人。蓮田太二院長は「預けられる赤ちゃんが1人でもいる限り存在意義はある」と強調。妊婦は匿名で出産し、子は18歳になると出自を知る権利を得られる内密出産について、健副院長は「危険な孤立出産を回避するために必要だ」と、改めて導入への意欲を示した。

 神戸市の助産院に全国2例目のゆりかご開設を目指していたNPO法人が昨年、市が求める常駐医師の確保ができず設置を断念したことについて、健副院長は「医師の常駐や相談体制など、日本は開設のハードルが高いのではないか」と指摘。「誰にも相談できず行き詰まった妊婦がアクセスしやすい場所があることが望ましい」と、全国的な広がりに期待を寄せた。

=2018/05/11付 西日本新聞朝刊=

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