「リバースモーゲージ」分かりにくい? マイナスイメージも… 県の高齢者向け住宅再建策、低調 [熊本県]

益城町で23日に開かれた住宅再建相談会
益城町で23日に開かれた住宅再建相談会
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 熊本地震被災者の住まい再建策の一つとして、通常の住宅ローンを組みづらい高齢者世帯向けに県が推奨する「リバースモーゲージ」の利用が広がらない。再建後の自宅や土地を担保に借り入れ、死後に売却して元金を一括返済する融資だが、制度への理解が深まらず、県が創設した利子助成事業への申請件数は、5月末までの半年間で9件にとどまる。関係者は対応に苦心している。

 23日、益城町のホテルであった住宅再建無料相談会。参加した70代の男性は、リバースモーゲージについて「死んだら土地を取られると聞いているから、検討したこともない」と語った。熊本市東区の仮設団地に住む男性(63)も「利用しようと思ったが、土地を手放すことに親族から反対された」と明かす。

 2人のようにリバースモーゲージにマイナスイメージを持つ人は少なくない。実際は家族など相続人が元金を一括返済すれば、土地や建物を売却しなくてもいいが、住宅金融支援機構九州支店熊本センターの担当者は「制度の内容が必要な人たちに伝わっていない」と漏らす。

 リバースモーゲージでは生前は利子のみを返済する。県は昨年11月、利用者の負担を減らすため、60歳以上を対象に利子の一部を助成する制度を設け、「毎月1万円の実質負担で自宅が再建できる」とうたうが、利用は低調だ。

 県は「リバースモーゲージ」という名称が分かりにくいとの県民の意見を受け、「高齢者向け新型住宅ローン」と言い換えたチラシを新たに作成。蒲島郁夫知事の写真入りで「自信を持っておすすめします」とアピールし、利用者の声なども盛り込んだ。今月から対象世帯への個別説明や各市町村での説明会で活用していく。

 昨年11月に県が仮設住宅入居世帯に実施した調査では、501世帯がリバースモーゲージの「利用を考えている」と回答。県の利子助成は自宅再建後に申請を受け付けるが、県内では建設業の人手不足で工事が遅れている状況が続く。県の担当者は「家の完成待ちで申請できない人もおり、今後増えていくはず」としている。

=2018/06/24付 西日本新聞朝刊=

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