益城町「震災文庫」デジタル化 避難所掲示の貼り紙、メモ、写真… [熊本県]

益城町の避難所に掲示されていた手作りの貼り紙。トイレ掃除の手順や避難所生活のルールなどが記されている
益城町の避難所に掲示されていた手作りの貼り紙。トイレ掃除の手順や避難所生活のルールなどが記されている
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 熊本地震で甚大な被害が出た益城町は、避難所に掲示された貼り紙やメモ書き、写真といった震災関連資料のデジタル化に乗り出す。町民などから寄せられた資料5千~1万点をデータにして保存し、被災の記憶を次の世代へと引き継ぐ取り組み。町は、11日開会の町議会定例会に提出した本年度一般会計補正予算案で、デジタル化の業務委託費約300万円を盛り込んだ。年度内の完成を目指すという。

 資料は町交流情報センター「ミナテラス」が収集した。センターは2016年8月末までの約4カ月間避難所として開放され、最大約300人が身を寄せた。

 炊き出しの献立表や弁当の受取券、行方が分からなくなった母宛てに連絡先を記したメモ、入浴場所を示す立て看板…。さまざまな形状の資料一つ一つが、非常事態の被災者の生活を色濃く映している。センターは避難所の閉鎖後も資料を廃棄せず、館内の空きスペースに保管。「震災文庫」と名付け、資料提供を呼び掛けていた。

 センターによると、時間の経過とともに現物が散逸したり劣化したりする恐れがあることから、神戸や東北の被災地の事例を参考に、スキャンしてデータで保存することを決めた。個人情報も含まれるため公開については未定。一部は閲覧可能にしたいという。

 資料集めを担当した同センター図書館の司書、西村まみさん(52)は「当時の様子を知ることは備えの一歩にもなる。住民が地域を知る上での手掛かりになるよう、郷土の史実を伝えたい」と文庫の永続を願う。

=2018/09/12付 西日本新聞朝刊=

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