自走車いす世界でトップ10 熊本高専生5人が技術開発 操縦せず、移動や昇降可能 [熊本県]

自動操縦機能を組み込んだ電動車いすと(左から)カンさん、本山さん、湯野さん、森本さんと山下准教授
自動操縦機能を組み込んだ電動車いすと(左から)カンさん、本山さん、湯野さん、森本さんと山下准教授
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 熊本高専八代キャンパス(八代市)の留学生を含む5年生5人が取り組んだ電動車いすの自動操縦プロジェクトが、機械工学技術を競う学生対象の世界大会で国内では唯一、トップ10に選ばれた。市販の電動車いすに障害物の感知や回避の機能を加え、本人が操縦しなくても、自動でスロープ昇降や施設内の目的地までの移動を可能にする仕組みが評価された。

 メンバーは機械知能システム工学科の5人で、セネガルからの留学生カン・イブラヒマさん(24)とインドからのタス・スリニヴァサン・シリーシ・バブさん(20)、森本堅太さん(20)、本山和輝さん(19)、湯野友貴さん(19)。

 大会は米国の計測機器メーカー、ナショナル・インスツルメンツ社が毎年開き、同社製の機器を使って学生たちがプロジェクトを競う。

 出場を勧めたのは5人のクラス担任の山下徹准教授(42)。自身も以前研究したことがある自動操縦の電動車いすのプロジェクトを提案したところ、自動運転の開発に興味があったカンさんが手を挙げ、昨年10月に他の4人を誘ってチームを結成した。

 同社製マイクロコンピューターや、独自のプログラムを組み込んだタブレット、各種センサーを組み合わせて試行錯誤。自動操縦の電動車いすの開発に3カ月かかったという。

 車体に付けた10個のセンサーは壁や障害物を感知して衝突を回避し、両輪のセンサーは回転数で移動距離を計測し、速さも一定に調整。幅が狭く曲がり角があるスロープでもぶつからずに安全な速度で上り下りでき、専用タブレットに現在地と目的地を入力すれば、障害物を避けながら最短距離で移動できる。

 このプロジェクトは3月に東京で開かれた国内大会で2位入賞。さらに各国から50以上の大学チームが出場し、書類と動画で審査が行われた世界大会では、トップ10に入ったとの連絡がこの夏、メールで届いた。

 カンさんは「国際的に認められてうれしい。高齢者や身体障害者などを助け、社会全体に役立つものに発展していってほしい」と話した。

=2018/09/13付 西日本新聞朝刊=

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