いじめアプリ通報33件 県教委「早期対応に成果」 [熊本県]

匿名でいじめの被害や目撃情報を通報できる県教委のアプリ
匿名でいじめの被害や目撃情報を通報できる県教委のアプリ
写真を見る

 県教育委員会は5日、本年度から全ての県立中高で導入を始めたいじめ匿名通報アプリの運用状況を10月定例会で報告した。8月までにいじめの通報は33件あり、うち20件は学校側が初めて知る内容だった。県教委は「早期の発見と対応に一定の成果があった」とする一方で、周知不足の課題も浮かんだという。年内に全ての生徒にアンケートを実施し、改善点を洗い出す方針。

 すぐに対応した通報の総数は651件。いじめ以外の内訳は、「その他」が最も多い549件で、部活動や学校などへの不満51件、悩み相談6件だった。いじめの事実が確認できなかった通報は「その他」に分類したという。

 アプリでは、学校名や被害者名、相談内容を書き込み匿名で通報する。スマートフォンでライン上のやりとりを撮った写真などを添付することもできる。通報を受けると、アプリを運営する委託事業者が県教委に連絡。県教委は各校に指導や助言をし、学校側がケースに応じて関係生徒や保護者から聞き取りを行うなどの対応をしたという。

 33件のうち、いじめ行為が止まったものが18件、対応中や経過観察中は15件だった。アプリで初めて発覚した事例はいじめ行為が止まる割合が高く、県教委は「深刻なトラブルに発展する前に対応ができるようになった」と強調する。一方で、定例会に出席した教育委員からは「いじめがやんで終わりではなく、本人が楽しく学校に来られるところまで見据えて対応してほしい」との要望があった。

 通報アプリは、インターネットや会員制交流サイト(SNS)上の見えにくいいじめ被害を防ごうと、県教委が4月から全中高約3万1千人を対象に導入した。県内の高校生のスマートフォン所有率は9割を超えるが、アプリでテスト送信をした生徒数は1万2千人にとどまり、県教委は学校への周知に取り組むとしている。

=2018/10/06付 西日本新聞朝刊=

西日本新聞のイチオシ [PR]

西日本新聞のイチオシ [PR]