阿蘇の草原、レジャー活用へ マウンテンバイクやトレッキング 牧野ガイド養成講座も [熊本県]

町古閑牧野組合が管理する野草地や原野を実際に歩きながら、アウトドアレジャーへの活用方法や注意点を学んだ牧野ガイド養成講座
町古閑牧野組合が管理する野草地や原野を実際に歩きながら、アウトドアレジャーへの活用方法や注意点を学んだ牧野ガイド養成講座
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 阿蘇地域に広がる草原を、畜産業ばかりではなく、トレッキングやマウンテンバイクを使ったアウトドアレジャーにも活用しようとする動きが加速している。427ヘクタールを管理する町古閑牧野組合(阿蘇市)の野草地や原野では7日、来年からの本格実施に向け、指導に当たる「牧野ガイド」の養成講座があった。

 阿蘇地域には約2万2千ヘクタールの草原があり、毎春、やぶ化を防いで害虫を駆除し、芽吹きを促す野焼きなど、放牧や採草の営みが千年以上続く。2013年には国連食糧農業機関(FAO)の「世界農業遺産」に認定。翌14年には火山地形・カルデラ内での草原活用の営みが「世界ジオパーク」にも認定された。

 草原の保全と活用が課題となっているが、各組合とも組合員の減少、高齢化に悩む。町古閑牧野組合の組合員数も32人で、ピーク時の3分の1に減少した。

 同組合では昨年11月から、「ルールやマナー厳守」を条件に、レジャー利用も検討。NPO法人やサイクルショップとも連携し、マウンテンバイクを実際に草原で走らせる実証試験にも取り組んできた。

 牧野ガイド養成講座は、NPO法人などが主催し本年度スタート。アウトドアレジャーの実施方法や注意点を利用者に説明、案内する役割を担う。この日は草原の歩みやけが人への応急対応などを学び、計2回の講座を受けた約20人が資格を取得した。近く実際のコース作りなどに乗り出す。

 ただ、町古閑の野草地には約80頭の牛馬が放牧されており、利用者に開放できるのは12月~4月。海外からの観光客が増える中、口蹄疫(こうていえき)感染などに神経をとがらせており、牧野内の道には消毒用の消石灰がまかれていた。

 講座に参加したマウンテンバイク愛好家によると、これまでの実証試験では、野焼き後に草が芽吹く4月中旬が「最適」。新緑を満喫しながら、大草原を疾駆する体感は格別で、参加人数を制限すれば、保全面の心配もなさそうだという。

 講師を務めた市原啓吉組合長(68)は「順路やコース設定、冬場の安全対策など課題は山積しているが、草原の営みを多くの人に知ってもらい、楽しみながら守っていくための新たな仕組みを作り、普及のモデルにしたい」と話していた。

=2018/11/14付 西日本新聞朝刊=

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