大正期の「後藤商店」全焼 熊本市の景観形成建造物 [熊本県]

 16日午後9時すぎ、熊本市中央区辛島町で、市景観形成建造物の町屋「後藤商店」から出火し、木造2階建てを全焼した。現場は繁華街に近い市電の西辛島町電停前で、火災の影響で一部区間の運行が見合わされるなど混乱した。

 熊本中央署などによると、建物は改修工事中で、出火当時は無人だった。周囲のビルとマンション、近くの駐車場の車両18台にも燃え移り、それぞれ一部を焼いた。けが人はなかった。

 市の資料などによると、後藤商店は1919(大正8)年に建てられた金物販売業の店舗兼住居で、旧城下町に残る町屋の一つ。歴史的建物を残すために市が2003年、景観形成建造物に指定していた。16年の熊本地震で被災し、改修中だった。

 近くのマンションに住む男性は「気が付いたら激しく燃えていて、火柱が高く上がっていて驚いた」と話していた。

 市内の歴史的建造物の保全に取り組むNPO法人熊本まちなみトラストの冨士川一裕事務局長は「和館と洋館が共存した非常に珍しい大正時代の建物で、地域のランドマークにもなっていた。熊本の城下町にとって大きなものを失った」と語った。

=2018/11/18付 西日本新聞朝刊=

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