八代妙見祭、市民に支援の輪 ユネスコ登録から2年 グッズ収益から出し物修理代 [熊本県]

神幸行列で宮地和紙の御幣を持って歩く白和幣の人たち
神幸行列で宮地和紙の御幣を持って歩く白和幣の人たち
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祭礼絵巻をデザインしたマスキングテープ
祭礼絵巻をデザインしたマスキングテープ
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笠鉾と同じ大きさのタペストリーなどが展示された妙見祭PR企画展
笠鉾と同じ大きさのタペストリーなどが展示された妙見祭PR企画展
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 国連教育科学文化機関(ユネスコ)無形文化遺産に登録されて2年を迎えた八代市の秋祭り、八代妙見祭を支える市民の新たな動きが広がっている。八代神社に向かうメイン行事のお上り神幸行列(11月23日)では、出し物の「白和幣(しらにぎて)」の一団が持つ御幣(ごへい)に、地元の職人と市民グループの協力で江戸時代と同じ宮地和紙が復活した。市内の大型店はPR企画展を開催。グッズを販売して出し物の修理費に充てようという動きもある。

 白和幣は、神幸行列の6番目に登場し、着物姿の男女の一団がおはらいなどに使われる御幣を付けた青竹を持って歩く。この一団について、江戸時代中期の紀行文「八代紀行」は「宮の地村(現在の宮地地区)の者也(なり)」と記述。当時、同村で盛んに生産されていた手すき和紙(宮地和紙)に関わる村民たちが、この和紙で作った御幣を持って参加していたとみられている。

 現在の白和幣は、八代市の白百合学園高同窓会を母体にした保存会が4年前に復活させたが、御幣には一般的な奉書紙を使ってきた。市民有志などでつくる「八代宮地紙漉(す)きの里を次世代につなぐ研究会」が今年、宮地和紙の唯一の現役職人、矢壁政幸さん(73)に御幣用の和紙制作を依頼し、保存会に無償提供した。保存会の守田恭子会長(68)は「丈夫で強風でも破れる心配がない。江戸時代と同じものを復活できて良かった」と喜ぶ。

 矢壁さんは「協力し合って今後も作り続けたい」と意欲を示し、研究会の磯田節子代表(68)も「地域の宝ともいえる宮地和紙の伝統を、地元の方たちが支えていくきっかけになってほしい」と期待する。

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 新たな妙見祭グッズは、江戸時代に描かれた妙見祭神幸行列の祭礼絵巻(八代神社所蔵)をデザインしたマスキングテープ(幅25ミリ、長さ10メートル)。八代市職員の上野信さん(52)と友田美穂さん(44)でつくるグループ「きなっせ妙見祭」が企画し、同市の堀川印刷が絵巻の中から獅子や亀蛇(通称ガメ)など六つの出し物を組み合わせたデザインを考案した。

 400個を制作。1個550円で、同市松江城町の市役所仮設庁舎売店で28日まで販売する。収益から5万円を目標に寄付する考えで、上野さんは「妙見祭の出し物の修理代に少しでも役立てば」と語る。

 妙見祭PR企画展は、同市建馬町のゆめタウン八代が、中央エスカレーター横の空き店舗内で16日まで開催中。八代神社に1300年祭(1965年)で奉納されたガメなど3種類の瓦、ガメのオブジェ、妙見祭の笠鉾(かさぼこ)の実物大タペストリーなどを展示し、妙見祭のビデオも放映している。来年以降も行う計画で、木本幸伸店長(46)は「多くの市民が楽しみにしている祭りを一緒に盛り上げていきたい」と意気込む。

=2018/12/04付 西日本新聞朝刊=

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