「やっと壁が崩れた」 熊本市のパートナーシップ制度導入、当事者ら歓迎 [熊本県]

市民病院の開院時期やパートナーシップ制度導入を発表した熊本市の大西一史市長
市民病院の開院時期やパートナーシップ制度導入を発表した熊本市の大西一史市長
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 熊本市が性的少数者(LGBT)カップルの関係を公的に認める「パートナーシップ制度」の導入を表明した4日、県内の当事者や支援者の間に歓迎の声が広がった。一方で、「法的な保障はなく制度だけでは不十分」として、啓発や制度を後押しする取り組みを求める意見もあった。

 「10代の頃にほしかった制度。やっと壁が崩れた」。同性愛者の川口弘蔵さん(36)=熊本市=は導入の知らせを喜ぶ。「自分が暮らすまちから認められることで、存在を受け入れられていると感じられ、大きな意味がある」

 女性として生まれ男性として生きる県南在住のゆうせいさん(34)=仮名=は「公的に認められるには、手術や治療をした上で戸籍を変更して結婚するしか方法がなかった。制度ができて選択肢が増えることは、身体的治療を望まない当事者にとってもありがたい」と前向きに受け止める。また「制度のある市に当事者が住民票を移す動きが出る可能性もある。他の自治体でも検討を進めてほしい」と訴えた。

 多様な性の人が住みやすい社会を目指す「くまにじ」メンバーの森あい弁護士は、導入を歓迎した上で「制度に法的効果はなく全てが解決するわけではない。財産の相続権がないなどの問題は残る」と指摘する。「制度導入で終わらせず、民間事業者などに制度を尊重してもらえるよう啓発したり、市の窓口の相談員に研修をしたりして表に見えにくい部分でも取り組みを進めてほしい」と注文した。

=2018/12/05付 西日本新聞朝刊=

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