蒲島知事インタビュー 災害公営住宅「入居者も健康調査」 益城区画整理「理解へ丁寧に説明」 [熊本県]

インタビューに答える蒲島郁夫知事
インタビューに答える蒲島郁夫知事
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 蒲島郁夫知事は西日本新聞のインタビューに応じ、熊本地震で災害公営住宅に入居する被災者について「健康面のリスクが高い方の把握に努め、丁寧な支援をしていく」として、心身のケアに継続的に取り組むことを強調した。主なやりとりは次の通り。

 -来年4月に熊本地震から3年を迎える。この1年間で復興に向けて特に取り組みたいことは。

 「被災者の住宅再建を県政の最重要課題として取り組んでいる。具体的には、60歳以上の人が利子のみを返済するリバースモーゲージや、民間賃貸住宅に転居する世帯への初期費用の助成などで、(制度利用の)障壁を低くすることで皆さんに住まいを確保してほしいと思っている。2番目は益城町の街づくり。益城町の発展が県民の幸福量の最大化に貢献するからこそ、県の資金も提供できる」

 -災害公営住宅の入居者への支援は。

 「東日本大震災の被災地では、災害公営住宅に入居して1年後に、環境の変化により心身の状態が悪くなったという報告がある。今後、県が実施している『心と体の健康調査』の対象に新たに災害公営住宅の入居者を追加する。入居したから(支援が)終わりというわけではない」

 -益城町の土地区画整理事業や、県道熊本高森線の4車線化事業について、対象区域の地権者の中には事業に反対したり不安に思ったりする人も少なくない。

 「決断には必ず賛否が伴う。いずれの事業も益城町の創造的復興に不可欠なもので、難しくてもやらなきゃいけない。事業の必要性を丁寧に説明し、地権者の方とよく話し合って理解や協力を求めていきたい」

 -熊本市の大西一史市長は、性的少数者らの関係を公的に認める「同性パートナーシップ制度」の導入を12月上旬に表明した。同様の制度導入について知事の考えは。

 「性に関する個人の考え方や認識は多様で、さらに全ての人の人権が尊重されることが大前提だ。県は今年、申請書類などの性別記入欄を見直した。同性パートナーシップ制度はさまざまな制度変更を伴うもので、各自治体が個別に判断すべきものと考えている。県としてまずは性的少数者を巡る問題への県民の理解を深めるため、教育啓発を着実に進めていく」

 -地方自治法の兼業禁止規定に違反したとして熊本市の北口和皇(かずこ)市議(60)を失職とした市議会の決定について、県が取り消すとした裁決を巡り、市議会側が見直しを求めるなど県との間で一時不協和音が露呈した。

 「県市連携の最大の意義は、住民の幸福量の最大化。これまでも水銀フリー社会の実現や熊本地震からの復興も一緒にやってきた。日本一仲の良い政令市と県の関係が構築できたんじゃないか。その意味で双方の関係は揺るぎがなく、今後も深めていきたいと思っている」

 -熊本市の路線バス網の再編計画について、県としてどう関わっていくか。

 「路線バスの利用者数の減少幅はかなり大きい半面、県民生活には不可欠な交通手段だ。関係市町村を含めて熊本市と連携して対応していく必要があり、県としても行方を注視したい」

=2018/12/31付 西日本新聞朝刊=

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