和水町民、余震の不安なお 町、慌ただしく被害対応 [熊本県]

石棺正面入り口の上部がひび割れに沿ってずれるなどの被害が確認された和水町の国指定史跡・江田船山古墳(代表撮影)
石棺正面入り口の上部がひび割れに沿ってずれるなどの被害が確認された和水町の国指定史跡・江田船山古墳(代表撮影)
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和水町中央公民館の避難所で一夜を明かし、帰途に就く住民ら
和水町中央公民館の避難所で一夜を明かし、帰途に就く住民ら
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避難所にもなっていた和水町中央公民館で成人式に臨む新成人たち
避難所にもなっていた和水町中央公民館で成人式に臨む新成人たち
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 和水町で最大震度6弱を観測した地震から一夜明けた4日、揺れの大きかった地域で被害の状況が徐々に明らかになった。国指定史跡を含む文化財や小学校などの公共施設、民家でも破損が次々と見つかり、職員や住民が慌ただしく対応に追われた。避難所で不安な夜を過ごした人たちは余震を気に掛けながらも帰宅の途に。一方、避難所の開設に伴い、一時中止も検討された成人式は予定通り開かれ、新成人95人の門出を防災服姿の町長らが祝った。

 「(前震の2日後に本震が起きた)熊本地震を思い出し、怖くて眠れなかった」。同町米渡尾の宮本祥子さん(58)は3日夜に父(85)と町中央公民館へ避難し、毛布にくるまって体を休めた。地震発生時は下から突き上げるようなドーンという衝撃の後、上下左右に揺さぶられ、すぐには立ち上がれなかったという。4日朝に帰宅したが「地震で混乱している父は1人で避難できず、今後も付きっきりで過ごすしかない」と疲れをにじませた。

 同町江栗の荒木誠さん(41)は「祖母が介護が必要で避難に時間がかかるため、大事を取って来た。すぐ避難できる態勢で過ごそうと思う」と不安げだった。

 同町江田のパート森田布衣子さん(44)は、ともに80代の母とおばを連れて避難所に身を寄せ、「余震の不安に加え、慣れない避難所で眠れなかった」。母とおいと3人で避難した女性(63)は「また、地震が来るかもしれないので怖かった。なかなか寝付けなかった」と振り返った。

 町は、中央公民館と三加和公民館を5日も避難所として開放すると発表し、4日夕から避難する住民の姿がみられた。

   ◇    ◇

地震に負けず成人式 和水町

 避難所が開設された町中央公民館では4日、成人式が予定通り開かれ、95人の新成人が出席した。

 高巣泰廣町長は「きょうの成人式は大変憂慮した。もし万が一、熊本地震のように再度大きな地震が発生したらと。ただ、皆さんの人生の大きな節目。大きな被害は出てないのを確認できたので、式を行う決断をした」と話した。

 新成人代表の帝京大2年深浦和樹さん(20)は「無事に成人式を迎えることができ大変うれしく思う」と述べ、会場が避難所になり「どうなるか不安だった」と振り返った。さらに「熊本地震を経験したけど、故郷が地震に遭い、身近だと感じ切れていないのを痛感した。20歳という責任のある立場になり、防災や備えを常に考えなければいけない」と口元を引き締めた。

 2011年の東日本大震災による福島第1原発の放射能汚染を懸念し、当時、埼玉県から祖母のいる和水町に移り中学3年間を過ごした堺市の専門学生沢田和佳奈さん(20)は「卒業以来会っていなかった同級生にも会えた。今日(成人式を)開いてくれて良かった」。菊陽町の大学2年吉永晴香さん(19)は母の着物で参加。「和水町に帰ってくると、自然やにおいなどが懐かしく感じる。地震があったけど、これからも守っていきたい」と語った。

=2019/01/05付 西日本新聞朝刊=

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