被災地間交流深め復興へ 阿蘇門前町商店街 東北から復興桜の苗木 広島からはカキ3000個 [熊本県]

「かき祭」の会場で、西日本豪雨の被災地・江田島から直送された殻付きカキに舌鼓を打つ来場者。カキの身は大きく、ふっくら、ジューシー
「かき祭」の会場で、西日本豪雨の被災地・江田島から直送された殻付きカキに舌鼓を打つ来場者。カキの身は大きく、ふっくら、ジューシー
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東北の被災地・閖上地区から寄贈された「復興桜」の苗木を囲み、関係者と交流を深める阿蘇門前町商店街の商店主ら
東北の被災地・閖上地区から寄贈された「復興桜」の苗木を囲み、関係者と交流を深める阿蘇門前町商店街の商店主ら
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 熊本地震からの復興を目指す阿蘇市の阿蘇門前町商店街振興協会(35店舗)に9日、東日本大震災(2011年)で被災した宮城県名取市閖上(ゆりあげ)地区から「復興桜」の苗木6本が寄贈された。3連休初日のこの日は、西日本豪雨(昨年7月)の被災地・広島県江田島市から殻付きカキ3千個も届き、「かき祭」も開幕。イベント会場では各被災地の関係者が交流を深め、互いの復興を誓った。

 閖上地区から贈られた苗木はソメイヨシノ4本と八重桜2本。同地区は仙台空港近くにあり、赤貝の産地として知られる。津波被害を受け、約800人が亡くなったが、神社や学校の桜は折れたり、塩害を受けながらも、そのつらい春に花を咲かせた。

 地元有志らは桜並木の再生に向け、生き残った芽を採取し、接ぎ木をして育苗。今では450本の苗木が育ち、縁あって今回、その一部が同商店街と、九州豪雨被災地の福岡県朝倉市と東峰村に寄贈された。苗木は約2メートルで、小さなつぼみを膨らませている。商店街沿いなどに植えられる。

 苗木を持参した佐々木悠輔さん(37)の家業は、1916(大正5)年創業の笹(ささ)かまぼこ製造会社で、主工場が津波で全壊した。「がれきがいっぱいの中で、それでも強く咲く桜は希望の光だった。負けられないと思った」と話し、あいさつで涙ぐんだ。

 一方、江田島からカキを届けたのは建設会社に勤務し、全国商工会青年部連合会長も務める越智俊之さん(40)。熊本地震後、阿蘇市の下水道復旧工事に当たったのが縁で、同商店街が昨年2月、初めて開いた「かき祭」に尽力した。

 豪雨災害では江田島の海にも大量土砂が流入し、カキ養殖も被害を受けた。商店街有志は豪雨後、水とカップ麺を抱えて見舞いに駆け付け、両者の絆はさらに強まったという。

 越智さんは「商店街の商いは身内で固まりがちだが、これからは外に打って出るべきだ。被災地間交流はその一歩になる。今度は江田島で赤牛イベントを」。同商店街振興協会の杉本真也理事長(55)は「やがて地震から丸3年だが、復興はまだまだ。心が折れそうになる時もあるが、人の縁や支援も励みに、笑顔の山をつくりたい」と話した。

=2019/02/10付 西日本新聞朝刊=

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