南阿蘇に初の災害公営住宅 28戸完成 秋までに計94戸整備 [熊本県]

南阿蘇村河陽地区に完成した初の災害公営住宅を祝い、現地式典では関係者のテープカットがあった
南阿蘇村河陽地区に完成した初の災害公営住宅を祝い、現地式典では関係者のテープカットがあった
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 南阿蘇村に15日、初の災害公営住宅28戸が完成し、河陽地区の現地で落成式があった。3月には被害が大きかった立野地区にも40戸が完成し、10月までに計94戸の整備を終える予定。吉良清一村長は「待ちに待った落成で、村人に勇気を与える」と話した。

 村役場近くに完成した「下西原第1団地」に入居するのは、村内の仮設住宅やみなし仮設で暮らす被災者。原則2年間の入居期限切れに伴い、自宅再建が難しい家族らが転居する。1LDK~3LDKの4タイプあり、25世帯の入居が決まっている。

 仮設住宅は無料だったが、1万1千~2万円の月額家賃、共益費2千~2千5百円などの自己負担が求められる。

 入居者を代表してこの日鍵を受け取った神毛(こうげ)潤一さん(69)は現在、道路を挟んだ向かいの仮設住宅で妻と暮らしている。広さは2間に台所が付き約30平方メートル。近所で暮らす3人の子どもには孫が10人いて、家族が遊びに来ると「立って食事をするほどだった」。新たに入居する3LDKは約70平方メートルで「ゆっくり足を伸ばし、家族で食事をしたい」と話した。

 代々暮らした自宅は大規模半壊し、近くの山では土砂崩れもあり、自宅再建は難しいと判断した。地震前には、南阿蘇鉄道の温泉施設が併設された駅舎管理の仕事をしていたが、その職を失った。家賃負担は重たいが「年金と子どもたちの援助でやりくりしたい」と話した。

 28戸の建設は、作業員の不足などでやや遅れたが、着工から5カ月で落成した。ただ、この災害公営住宅への入居者を除いても、村内ではまだ約150人が仮設住宅で暮らしており、村は整備を急ぐ。

=2019/02/16付 西日本新聞朝刊=

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