沿道から声援ランナー力走 熊本城マラソン [熊本県]

ランナーたちを激励する大会応援大使の石川さゆりさん
ランナーたちを激励する大会応援大使の石川さゆりさん
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思い思いの仮装姿で、沿道のチアリーダーとハイタッチする復興チャレンジファンランのランナーたち
思い思いの仮装姿で、沿道のチアリーダーとハイタッチする復興チャレンジファンランのランナーたち
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父国男さんの月命日と誕生日の数字が並んだゼッケンを胸に「見守ってくれた気がした」と話す岩村聖華さん
父国男さんの月命日と誕生日の数字が並んだゼッケンを胸に「見守ってくれた気がした」と話す岩村聖華さん
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 澄み渡る青空の下、約1万4千人のランナーが熊本市中心部を力走した熊本城マラソン。ひたむきに駆け抜ける挑戦者たちに、沿道からは絶え間ない声援が送られ、旧城下町一帯は終日大盛り上がりだった。

 午前9時に号砲が響きランナーたちは順次、スタート。大会の応援大使で歌手の石川さゆりさんも特設ステージから手を振って出発を見守った。「復興チャレンジファンラン」でピエロに扮(ふん)した同市北区の会社員松村和人さん(56)は「熊本地震で受けた支援を思い返し、お礼の気持ちで走り切った」と笑顔だった。

 フルマラソン男子で2連覇を果たした熊本大4年の古川大晃さん(23)=同市中央区=は、拳を突き上げてフィニッシュ。「力強い応援で自分を奮い立たせられた」と感謝を述べた。大学卒業後は九大大学院に進学するといい「勉強と陸上を頑張り、いつか熊本に戻ってきたい」と話した。

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亡き父に最高のプレゼント 月命日と誕生日並んだゼッケン胸に

 フルマラソン女子で初出場初優勝を果たした八代市体育協会職員、岩村聖華さん(34)=氷川町=は、2年前に亡くした父国男さんの月命日と誕生日の数字が偶然並んだゼッケンを胸にゴールテープを切った。実業団を辞めた後、市民ランナーとして再出発するきっかけをくれた父に、最高のプレゼントを贈った。

 岩村さんは大学卒業後に実業団入りしたが、故障が続き2年前に引退。その後国男さんが末期のすい臓がんと診断された。けがに負けずに走る姿を見せて「元気になってほしい」と市民ランナーでの復帰を決めると、国男さんは2017年6月、74歳で他界。苦しい時期には「冬は必ず春となるとぞ」と励ましてくれる一番の応援者だった。

 初出場の今大会で手にしたゼッケンは、国男さんの月命日「13日」と、誕生日の「7月7日」が並んだ「1377」。全くの偶然だったが、岩村さんは「頑張れって言ってくれてるんだな」と感じたという。

 1月末にインフルエンザにかかり、練習不足のままで迎えた本番。序盤から足の疲労を感じ「ゴールまでもたないかも」と不安を抱えていたが、名前を呼ぶ沿道の声援に背中を押され頂点にたどり着いた。「お父さんにありがとうって伝えたい」と涙をぬぐった。

=2019/02/18付 西日本新聞朝刊=

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