多良木高97年の歴史に幕 閉校式に800人 卒業生ら惜別の涙 [熊本県]

多良木高の閉校を惜しみ、目頭を押さえる人もいた
多良木高の閉校を惜しみ、目頭を押さえる人もいた
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97年の歴史に幕を下ろした多良木高
97年の歴史に幕を下ろした多良木高
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 今月末で閉校する県立多良木高(多良木町)の閉校式が2日あり、97年の歴史に別れを告げた。閉校後の校舎は県立球磨支援学校が移転される方針のほか、校庭には町立多良木中の新校舎建設が計画されている。

 式典には、前日に卒業式を終えたばかりの3年生のほか、卒業生や元職員、地元関係者ら約800人が出席。粟谷雅之校長が同校の歴史を紹介し、「1万9千人の若人が過ごしたこの地が、いつの日か再び学びやとなることを願う」と式辞を述べた。住吉献太郎同窓会長も「卒業生が各地で築いた実績は、平和、勤労、進取の校訓があったからこそ。母校の歴史は卒業生の胸に深く刻まれている」と、上球磨地域の教育を担った同校の閉校を惜しんだ。

 式典の終盤、生徒会役員から折りたたんだ校旗が粟谷校長へ手渡され収納されると、会場からは大きな拍手が送られた。

 多良木高は多良木実科高等女学校として1922年創立。51年に現在の校名になり、68年に現在地へ移転した。80年には剣道部女子が玉竜旗で優勝し、2013年の九州地区高校野球大会に県代表として出場するなど、スポーツでも多くの足跡を残した。

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地域への貢献たたえる声も

 上球磨地区の教育を担う中核として1世紀近くに渡り、多くの人材を輩出した多良木高。閉校式に臨んだ卒業生や地域住民からは、過疎化や少子高齢化など時代の波を実感しつつ、惜しむ声が聞かれた。

 式典では、同窓生を代表して、1944年度卒の東キヨ子さん(90)と2014年度卒の椎葉響弥さん(22)の2人があいさつ。東さんは、最後の卒業生らに「これから壁にぶつかっても、多良木高魂で打破してほしい」とメッセージ。椎葉さんは、九州地区高校野球県大会で初優勝した野球部主将としての経験を紹介しながら「学校生活での誇りを抱き続ければ、未来に多良木高を伝えられる」と語った。

 式典会場では、卒業生の荒嶽望さん(30)が「陸上部で3年間頑張った。青春をささげたグラウンドがなくなるのは寂しい」とぽつり。上村喜代子さん(77)は、数十年ぶりに再会した友人らとともに「とにかく残念」と話した。

 同校の隣でスーパーを経営していた弥永麿さん(80)は「地域の祭りのみこし担ぎや、赤い羽根募金など地域への協力も大きかった」と残念そうに語った。

=2019/03/03付 西日本新聞朝刊=

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