スマホ手に震災遺構巡り 解説アプリ開発進む 南阿蘇村 [熊本県]

「震災遺構」として保存される東海大阿蘇キャンパス1号館は、中学生の防災学習にも活用されている。ブルーシートの下には活断層の亀裂が走る(昨年10月)
「震災遺構」として保存される東海大阿蘇キャンパス1号館は、中学生の防災学習にも活用されている。ブルーシートの下には活断層の亀裂が走る(昨年10月)
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復旧工事が進む、村の文化財でもある床瀬川橋。損壊部分と残った部分が分かるよう再建されているという
復旧工事が進む、村の文化財でもある床瀬川橋。損壊部分と残った部分が分かるよう再建されているという
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 熊本地震の震災遺構の保存・活用方法を検討する南阿蘇村の官民組織は、阿蘇大橋の崩落現場一帯など10カ所を遺構と位置付け、それぞれの解説情報をスマートフォンで視聴できる専用アプリを今月中旬から順次配信することを決めた。防災学習や遺構巡りに活用していく。

 専用アプリは、村から業務委託された民間会社が開発中。実際の景観にCG画像を重ねるAR(拡張現実)技術を導入。スマホを操作すれば、地震時にその場所でどんな現象が起こったのか、疑似体験できる仕組みで、専門家の意見を参考に作製されている。

 道案内機能や音声ガイドもあり、現地ガイドが不在でも遺構を訪ね、知識や教訓を習得できる。外国人観光客の増加にも対応し、英語、中国語、韓国語の音声ガイドも備わっている。

 保存される10カ所の遺構は、東海大阿蘇キャンパス1号棟と活断層を示す亀裂▽高野台の大規模地滑り現場(2020年度内に防災公園化)▽床瀬川橋-など。

 黒川地区にある床瀬川橋は1918(大正7)年に建造された石組みのアーチ橋で村の文化財。地震で損壊したが、損壊部分と残った部分が分かるよう「遺構」として整備中という。

 2月28日に開かれた検討会では「遺構をどう語り継いでいくかが問われる」「分かりやすさを優先した観光、防災の学び、より深い学術などの視点から、多様な活用を」などの意見が出た。村では本年度、認定ガイドの育成を進めており、今後はアプリも活用した震災遺構ツアーを、修学旅行などで提案していく考えだ。

=2019/03/06付 西日本新聞朝刊=

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